求人情報 - RECRUIT

採用Q&A

会社説明会参加者の質問から

アニメーターの仕事ってどんなもの?

アニメーションの仕事の流れを教えてください。
アニメーション制作工程
動画と原画の仕事の違いは?
原画は自然物の動きや、キャラクターの芝居のポイントとなる絵を描く仕事です。
原画だけを撮影すると、カクカクした不自然な動きになります。動画は、動きを滑らかに見せるために、原画と原画の中間の動き、ポーズを足していく中割りと呼ばれる作業です。まず、アニメーターは動画の仕事から始めます。たくさんの優れた原画を見て、割って、原画の描き方を吸収します。P.A.WORKSでは、動画の仕事を始めてから2年以内に原画になることを目標としています。
動画の仕事は中割をする人とクリンナップをする人に分かれているのですか?
日本では分かれていません。中割からクリンナップまで一人で仕上げます。ディズニーでは中割り係りとクリンナップマンがいたようです。
アニメーター人生で一番の失敗談は?
失敗は毎日です。締切りを守れなかったときです。
今のが模範解答です(笑)。僕はアニメーターでは無いのですが、「あの時もう少しああしておけば」と後悔するのは間違っていると思います。「あの時の実力ではあれば精一杯だったんだ」とはっきり言える、精一杯の仕事をしてほしい。その悔しさをバネに次にまた頑張ってほしいと思います。でも、これは制作の場合。アニメーターはどうしてもスケジュールがあり、妥協を強いられることの毎日なので、どんな上手い人でも未練は残るんでしょうね。
アニメーターの仕事を知る上で参考になる書籍名を教えてください。
昔と違い今は書籍もたくさん出版されています。大塚康生さんの「作画汗まみれ」は商業アニメーション50年の歴史とアニメーターの仕事が読み物としても面白く語られています。「大塚康生インタビュー」は現役アニメーターにも大変参考になる内容です。
いずれも‘技術の手引き書’というものではありません。技術書の定番は湖川友謙さんの「アニメーション作画法」があります。アニメ6人の会の「アニメーションの本」。
海外のものでリチャード・ウィリアムズの「アニメーターズ・サバイバルキット」やディズニーのフランク・トーマス、オーリー・ジョンストンの「生命を吹き込む魔法」があります。
ただ、日本のアニメーションはテレビシリーズ30分もので4,000~7,000枚に対し、ディズニーの劇場アニメーションの動画枚数を30分に換算すると十万枚以上になります。
動かし方は別物のような気がします。でも、作品作りのアプローチの仕方は経験者が読んでも非常に刺激的なものでした。
動画1枚に何分かけられるのですか?
カットによって全く違います。一人前のアニメーターが平均的なテレビシリーズの動画をやる場合は1枚20分前後だと思います。それで月500枚ですね。
アニメーターになるためには何を勉強、観察していればいいのか?
色んなもの、動きに興味を持って観察、記憶、記録しておくことです。例えば「牛と山羊と羊の角の付き方の違いが描ける?」って言ったら描けるようにね。何かを描くときに資料を要求するアニメーターが多いですが、資料を探すのも楽しみだと思います。
では具体的に最近何を調べたり観察していますか?
服の素材と皺の付き方の違いを観察しています。
僕はアニメーターでは無いんですが、効果的なアニメーターの育成方法を常に考えています。「これをしなさい、あれをしなさい」ではなく、とにかく絵で表現することに自覚的になるよう好奇心を刺激することだと思います。アニメーターに必要な技術習得をカリキュラム化するために、どんな好奇心の刺激の仕方があるのか、その方法をいつも考えています。他業種の手法でも応用できそうなものは貪欲に取り入れるつもりです。
どんな動きが原画にするときに描きにくかったですか?
日常の何気ない仕草です。
アニメーターになって良かった点と苦労した点は?
良かった点は、アニメーターなら誰しも絵を描くことが大好きだと思います。それを職業にできたということじゃないかな。
良かったと思うときは、描いた原画の完成映像を見たときに、自分のプランどおりに気持ち良いタイミングで動いていたとき。それが誰にも気付かれないようなことでも「ヨッシャ!」と思うことがある。苦労するのは、なかなかそこに行き着けない画力だったり。
難しい原画を描くときには他の作品の原画を参考にしますか?
見ます。すごく参考にします。上手い人の真似、模写から入るのも上達方法の一つだと思っています。自分はエフェクト等は特に参考にします。
動画をやりながら月に1つ出題される課題も、他作品を参考に「まずこのカットをそのままのタイミングで原画に起こしてみなさい」と言ってみます。上手い人の原画を映像で何度もリピートして見て、その動きを原画にすることを試みます。 これは、小学生がわからないものがあったら百科事典を調べる習慣を身につけるようなものだと考えています。テレビシリーズなど、その日のうちにどう描けばいいか見当もつかないカットを原画にしなければならないこともあります。そんなときに、何を参考にしてどう応用すればいいかを訓練しておくことは良い体験だと考えています。
もちろん実物を観察して記号化することも大切です。現在流通している技術は、そうやって先輩が記号化してきたものの発展形ですから、それをベースに自らが観察したエッセンスを加える挑戦が必要です。
動画のこだわりはスピード以外に何がありますか?
丁寧、スムーズな動き、美しい線、仕上げに配慮した上り、スキャンしたときに綺麗に取り込める線、ですね。

雇用形態について

採用時の雇用形態は?
嘱託契約となります(※正社員ではありません)。出来高制です。
動画単価は作品によって違います。
テレビシリーズの動画単価は1枚200円~230円くらいでしょう。
原画になった場合の雇用形態は?
現在採用している雇用形態は、出来高+技能報酬と、社員の2通りです。原画マンの出来高はカット数です。作品やカット内容の難易度で変わります。技能報酬には、3か月毎に平均月産カット数を算出し、その数に応じて決めるものと、数以外の力量に応じて決めるものがあります。動画以上に個人差があります。

各種手当について

手当てにはどんなものがありますか?

研修費:2ヶ月間、月37,500円(税抜)支給します。研修期間中に本番の動画を作業した場合には、出来高でプラスされます。

昼食:1年間、昼食補助として月8,000円(税抜)補助します。

寮:ワンルーム(キッチン・ユニットバス・トイレ付き)画像はこちら→
月額15,000円+共益費(水道代・ネット通信費・共有部分電気代)
※各部屋の電気代・ガス代は個人負担

採用試験について

提出作品に学校の課題で制作したものを提出してもいいですか?
構いません。ただしビデオ等映像作品は見ません。
提出するスケッチブック等のサイズ指定はありますか?
一次選考時に提出する作品に関してはありません。作品は宅配便で返却しますので、梱包しやすい大きさにしてください。卒業制作等のビデオは見ません。二次選考「模写課題」のスケッチブックの大きさは指定いたします。
何人くらいの応募がありますか?
2015年の応募数は100名弱でした。
試験内容を教えてください。

一次選考:履歴書
提出作品(描きためたスケッチブック・クロッキー帳等)
※普段描いているもの・未完でも可
※サイズ不問
※提出作品は一次選考の合否と共になるべく早くお返しいたします

二次選考:一次選考合格者対象。面接・模写課題・実技試験
一次選考合格者には書類で通知します。
携行品:摸写課題(課題内容は書類で通知致します)

試験は富山本社でしか行わないのですか?
どんな場所で働くかを是非見ていただきたいので、アニメーターの採用試験は本社で行います。
アニメーターのP-10スタジオでの募集は無いのですか?
しておりません。アニメーターの場合は富山本社にて、班体制を組むことが多いです。
(尚、P‐10スタジオでは、制作進行の募集はしております。)
提出作品(描きためたクロッキー帳等)では、どんなところを見ますか?
重視しているのは、学校の課題などで作成された完成した作品よりも、日ごろからスケッチやクロッキー等どれだけ絵を描いているか、どんなに絵を描くことが好きかということです。質だけではなく物量も見ます。
面接ではどんなところを見ますか?
社会人としての常識と、アニメーションにどれくらい興味を持っているかです。
摸写課題とは?
まず、摸写の対象にするコミック等を指定します。通常系統の違う2作品です。
(2015年の場合)
面接指定日に摸写したスケッチブックを持参していただきます。
チェックするポイントは、摸写力、物量をこなす馬力、集中の持続力です。
絵を描くスピードを提出課題からどうやって判断するのですか?
線の勢いは見れば分かります。物量を描くスピードは二次選考の模写で、同一条件の決められた期間内にどれくらいの物量を正確に模写できるかを見ます。
結果の通知はいつきますか?
書類・提出作品・面接・摸写課題で総合的に判断します。二次選考後10日間以内には通知が届くようにします。
アニメーションの専門学校に行っていなくても大丈夫ですか?
未経験でも応募可能です。実技試験では専門的なところは問いません。2ヶ月の研修課題をしっかり乗り切れば、動画として対応できるようになります。
応募の年齢制限はありますか?
25歳までです。

生活環境について

本社周辺はどんな環境ですか?
2016年3月に桜ヶ池ハイウェイオアシスに移転いたしました。
城端地域の里山エリア「立野原(たてのがはら)地区」の高台に位置し、近くには四季を通じて豊かに水をたたえ、春には桜の花が周囲を彩る「桜ヶ池(さくらがいけ)」がある自然環境が豊かな地域です。
周辺は田んぼが多いので夏場は蛙が騒がしいです。冬場は雪が沢山降りますので、長靴が必需品です。
スキー場まで10キロです。
気候はどうですか?
冬は雪国なので、降るときには一晩で50cmくらい積もります。道路は除雪されます。夏は東京と同じくらい暑く、名古屋や大阪市内よりは過ごしやすいです。
寮の場所、入居期間、入居人数、徒歩で通えますか?
寮の場所 → 城端駅の近くにございます。(本社からは少し遠い)
入居期間 → 部屋の数が限られており、1~2年くらいの入居期間となります。
通勤方法 → 徒歩の場合、片道30~40分かかります。また、歩道の整備もされてない場所がありますので、会社では公共バスまたは自転車での通勤を推奨しております。原付・バイクでの通勤は禁止とさせて頂いております。
寮は会社からどれくらいの距離がありますか?
車で10分程、徒歩で40分程です。公共機関はバスとなります。(城端さくら線)
先輩方は主にバスで通勤されています。(※バイク通勤は禁止とさせて頂いております)
スーパーマーケットはありますか?
寮のすぐそばにスーパー、24時間コンビニがあります。

仕事内容について

研修期間中のカリキュラム(スピード・画力など)はどのような内容ですか?
(例えば、過去の作品の原画をもとに動画を描く等の研修はありますか?)
まず、最初に覚えてもらうことは「線」です。どのような「線」がよいのか、この会社で培っている「線」を覚えてもらうような課題を受けていただきます。
研修期間にやることは?
実際使用した素材を使って動画の練習をします。2ヶ月後には即、動画マンとして生活していけるだけの質とスピードを身につけます。
アニメーターの1日の流れ・タイムスケジュールを教えてください。(具体的に)
出来上がったものを東京スタジオに送らなければならないため、毎日17時に宅配便で送るという作業があります。
そのため、17時までの間に、その日提出できるものを仕上げます
17時以降は翌日の宅配便で送る分を仕上げていくことになります。
基本的に自分で目標を設定し、作業をしていくのですが、新人動画マンに対しては、先輩が目標を設定したり、あと何枚仕上げる等の助言をしたりしています。
動画のクリンナップのスピードはどれくらいのものですか?
例えば研修初日の課題は1日30枚の原画トレスです
生活していけますか?
生活していけなければアニメーターはいません。
採用基準で最も重視しているのは、まず動画マンとして生活していけるだけの力量があるかです。以下は動画マンが回答したものです。
・研修期間は仕送りをしてもらった。
・生活費に必要最低限の額はとにかく枚数をこなす。
・城端は生活費がかからないので、できないことはない。
1日にできる枚数は?
目標20枚。実際は15、6枚 受けた内容による。(動画マン回答)
(攻殻機動隊と鋼の錬金術師を、主な動画の仕事とした場合)
動画マンになってからの最初の目標は、1年以内にひと月350枚、2年以内にひと月に500枚描くことです。
作画監督に上がるための試験はあるのですか?
ありません。
もしあるとするならば、それはその人に対する「評判」です。どれだけの人を喜ばせたか、という評判が作画監督になるにあたって重要視される部分だと思います。
動画マンでも、原画マンでも作画監督になれるチャンスはありますか?
まず、動画マンから作画監督になることはありません。
なぜなら、絵の動きを見ることができ、自分で動きを作れないといけないからです。
その経験と評判を勝ち取った人が作画監督になれるのではないでしょうか。
勉強するのに、スケッチとアニメ絵のどちらを練習したほうが良いですか?
どっちも大切。人体のつくりを知っていないと動画も描けない(動画マン回答)
腱鞘炎になりますか?アニメーターの職業病は?
今まで10年以上見てきました。腱鞘炎の人を3人知っています。
割合にすれば1%くらいだとしても、アニメーターの職業病でしょうね。
それから、ずっと座って作業をしていますから、腰を痛める人もいます。
姿勢が悪くならないよう、ライトテーブルに何段階か角度がつけられるP.A.WORKSオリジナル作画机を作ってみました。
運動不足になりがちです。月に2回体育館を借りてスポーツをしています。(自由参加)

会社について

原画や動画の担当割り振りはどうやって決めるのですか?
動画は短いスパンでスケジュールが決められているので、その人の力量を考慮してスケジュールに間に合うように割り振ることが多いです。社内の原画マンは個々に技術目標、収入目標があるので希望パートを聞いています。
P.A.WORKSで原画になるための条件を教えてください。

①動画を「1年以内に月350枚達成」し、且つ「月400枚・連続12か月」または「月500枚連続3ヶ月」を達成する。

②研修期間も含めて1年間は動画をやる。
その期間に1カットでも多くの原画を見て、動画に配慮した原画がどんなものか分かるようになる。

③1つ出される原画課題を提出する。①、②、③を総合した結果で作画チーフが判断します。

原画試験を受けるのは最大3回までと制限されていますが、その理由を教えてください。
原画試験を3回受けて受からないということは、原画に向いていないということだからです。
原画試験を受ける回数制限がありますが、そこで受からなかった場合はどうなるのでしょうか?
原画マンになることはできませんが、動画マンとして技術を磨いていくことはできます。動画検査、設定デザインの資質があれば、他のセクションを勧めることもあります。
社内でのデジタル作画はどれ程の割合で行われているのでしょうか?
ゆくゆくは考えておりますが、現在、社内で作画のデジタルツールを使用しているのは、動画検査の修正作業と演出のお試し使用くらいです。
①演出、作画監督、原画の全員がデジタルツールで作業するチームを形成できるか。
②機材とソフトの導入コストとランニングコストを上回る生産性の向上がデジタル化で図るシステムを構築できるか。
③ソフトのディファクトスタンダードが定まる。
以上の3つが揃ったところで導入を考えています。
会社、社内の雰囲気はどのようなものですか?
作画スタッフ、3DCGスタッフが同じフロアにいることで、会話がしやすい環境にあります。
また、各セクションがどのようなことをしているかということがわかります。
3D班と作画班が一つのフロアに在るそうですが、例えば作画が3Dの技術を学ぶなどの機会はあるのでしょうか?
最近のアニメ業界では、3DCGが手書きのアニメーターから技術を吸収することの方が多いと思います。
アニメーター(「動かす」技術を身につけた人)の中で、将来3Dアニメーターを目指す人がいるとしたら、ちょっと3DCGを触ってみる、ということが今の環境ではできるので、今後そういう機会が増えるのではないでしょうか。
また、社内には演出や設定、デザイナーなどに興味のある人がいるかもしれません。その人にとって選択肢が増える環境を作ってあげることが、組織の中で大切なことではないかと思います。
会社には様々なセクションがありますが、共通して持っていて欲しい熱意などはありますか?
会社の理念・ビジョンにあるように、外に意識を向けることも大切ですが、まずは、クリエイター個人個人が作っていることに対しておもしろいと思うこと、自分が成長していく喜び、自分でこういうことができるようになったという小さな成功体験を持つこと、は共通して持っていてほしいことです。
将来アニメーターから他のセクション、3Dや撮影に移る道はありますか?
あります。将来アニメーションで何を表現したいかは、仕事をやっていくうちに見えてくることもあると思います。が、P.A.WORKSでは、アニメーターの経験が充分に活かせるくらいのレベルまでになってからです。その後に資質を見ます。アニメーターから演出になるスタッフもいますし、3Dアニメーターに移行するスタッフもいずれは出てくるでしょう。
作画の男女の比率を教えてください。
現在作画の男女比は4:6です。(2016年4月)
鉛筆などの文具は会社支給ですか?
いいえ。購入してもらうことにしています。社内でも販売しており、市販より割安でご購入いただけます。
アニメーターの先輩後輩の交流にはどのようなものや機会があるのでしょうか?
会社の行事の他に、食事時に会話をしたり、作画監督が自らの家を開放し、後輩を呼んで鍋をしたりしています。
また、体育施設を借りての体育、クラブ部活動(カメラ部・映画部・テニス部等)もございます。
今後制作する作品の予定は?
作品を選ぶ選択基準はいくつかあります。
戦略・作品内容・制作予算・P.A.WORKSの制作ラインの状況、何よりも、自社発信の作品を安定したクオリティーで制作できることが第一の目標です。今はその土台となる現場造りをしているところです。
なぜオールマイティーの職人原画マンの育成をめざすのでしょうか?
1つは演出の要求に応えるため。もう一つはアニメーターの選手寿命を長くするためです。原画マンの選手寿命はプロ野球選手くらいだと話しています。
現在40歳を過ぎてもバリバリ第一線で活躍しているアニメーターは、若い頃に、なんでも描きこなしてきたスピードも力量もあるアニメーターです。描くものが偏ったり、物量がこなせないと、受ける作品の選択肢を減らすことになります。
これでは、アニメーターとしての寿命を縮めてしまいます。
P.A.WORKSで映画は作れるか
アニメーションの映画には一長一短があります。緻密な劇場映画の映像を作るにはどうしても時間がかかります。経験が浅いアニメーターは、結果がすぐ返ってくるシリーズでどんどん経験を積んだほうが良いと思います。
遊び心がある。その時期、2年以上費やすような大作に参加することには賛成しません。自分の力量で、それだけの時間をかけないと表現できない作画のテーマが見つけられるくらいになったら、存分に参加して腕だめしをしてください。これも20代で経験して欲しいと思います。
動画の雇用の条件、手当ては、業界一般に比べて恵まれているようですが?
こう言うのもなんなんですが、この規模の会社にしては頑張っています。
P.A.WORKSが必要としているのは原画マンです。誤解を招くかもしれませんが、動画は原画育成のための先行投資として考えています。動画はスピード、物量、単価の面から業界全体が海外への依存度を高めています。これを食い止めることは出来ません。日本のアニメーションの生き残る道は、多様な原画の表現の継承にしか無いと考えています。条件面で頑張っているのは、この規模の会社が、地方で作画を育成することの大きな可能性を信じているからです。
現在、世界に向けての取り組みはどのようなことをしていますか?
最近は海外の配信会社にとても勢いがあります。P.A.WORKSの作品は、地方を舞台にした青春もの、日常ものが多いですが、今後全世界の視聴者をより強く意識した場合、ビジネスモデルも作品傾向も変化していくと思います。

アニメーション業界について

アニメーターがいくつかの作品を並行して作業することはありますか?
あります。ただ、原画は極力作品を1本に絞ってカット数をやることが、達成感と参加意識の向上に結びつくと考えているので、制作も発注をそのようにコントロールしています。
動画のプロはいますか?
アニメーション業界にはたくさんいます。
アニメーション業界では動画の9割が海外に発注されている現状があります。アニメーターはその中で生き残らなくてはなりません。そのために2年以内に原画になってほしいと思っています。もう1つ、作品にもよりますが、一人前といわれる人で月500枚、多くて800枚くらいです。出来高の場合、動画マンは月収200,000円以上は無茶苦茶厳しいということです。原画マンになってそれ以上の収入を目指してほしいと思っています。
または、動画チェッカーという職種があります。アニメーションの作画の質を支えるセクションで、枚数出来高ではなく、通常作品単位または固定給です。
テレビシリーズの原画と動画のスケジュールはどれくらい?
平均的なもので原画期間は作画打ち合わせから6週間~8週間です。動画は原画が全て終了してからではなく、上がった原画から演出、作画監督を経て動画にしていきます。
動画の最終スケジュールは原画の最終UPから動画UPまでは1週間から10日くらいですね。
原画マンは業界に何人いますか?
2000人だと体感しています。職人と呼べるのは500人かな。劇場大作に対応できるのは100人いません。
食べられないという理由以外に、すぐ辞める人の傾向は
「自分の時間」が欲しい人です。絵を描いているのが自分の時間だと、意識的にではなく、あたりまえのように思えないと続きません。好きじゃないと続かないということです。
東京での作画育成の難しさってどういうところ
アニメーターにとってではありません。企業にとってです。
原画マンが職人として通用する前に、早い時期にフリーになる傾向があります。
企業からすれば、野球の2軍で投資して育成してきた選手が、1軍登録した途端にフリーエージェント宣言されているような感覚です。彼らの気持ちを理解できないわけではありません。描きたい絵があるのはアニメーターにとってあたりまえ。所属するプロダクションの作品傾向はだいたい決まっていて、ここに所属していたら描きたい絵が描けないと考えるか、いっしょに仕事をしてみたい作画監督や、演出が他社にいる、などの理由があるでしょう。野球選手の年俸よりゼロが1つ2つ少ないんだから好きなことやるよ。その気持ちは否定しません。
そんな状態が続いているうちに、企業がプロパースタッフの育成に力を入れなくなってきました。これが育成の難しさの理由です。
良い作品を継続して作るには、安定した現場環境、その作品に大勢が「集中して」参加している「現場熱」が必要です。P.A.WORKSでは1本の作品の7割をプロパーの原画マンが占めることを将来の理想としています。クリエーターにとっても参加したい現場環境であり続けること、それを模索しているところです。わかっているのは、企業が現場を用意するのではなく、所属するクリエーターのポテンシャルを高めれば、その現場はクリエーター自身で造りあげてしまうということです。
フリーの原画マンには簡単になれるものか
あまり賛成できませんが、これだけ作品数が多いので、原画マンにとっては売り手市場です。それほど上手くなくても仕事は貰えます。ただ、伸び盛りに自宅で作業をするのは勧めません。皆さんがフリーになっても、ぜひスタジオに入って、上手い原画マンの仕事振りや、仕事のペース配分を真似してください。
東京は家賃が高いので、フリーの原画マン誰にでも作画机を用意できるわけではありません。せめて、あなたになら机を用意します、といわれるくらいになってからフリーになることを考えてください。
アニメーターは何でも描けた方がいいんですか
もちろん。なんでも描けるアニメーターの方が、演出の要求に広く応えられます。 選手寿命も長いです。演出の要求を満たしつつ、2次元で、なにを工夫して、自分の表現にするかが優秀なアニメーターのモチベーションだとおもいます。