2005.03.16  
   
 
 
 
   
 

No.08 「でも、そこに甘んじるか」

井上:最先端の技術を見ちゃうと、どうしてもそれを追いかけて数字がどんどん下がっていく。それはマズイ。
堀川:作画の成長過程は質から量にはいかないんですよね。物量を上げられるようになってからクオリティーを追及することはできるけれども、その逆は見たことがない。
井上:俺達の同世代でもそうなっている人はけっこういるね。それなりに数字を上げていた人が、後にクオリティーに向かって行ったために、数字がどんどん下がっている例はあるけど。
堀川:クオリティーを上げるために、今までの描き方ではいけないんだと云うことがわかってしまうと、手が抜けなくなってどんどん数字が落ちていくんですね。
井上:でも、そこに甘んじるか、そうは言っても、その中でも数字に対するこだわりを持ち続けることによって、やっと数字が下がるのをくい止められるんだよ。クオリティーを追求すれば数字は下がると思うんだよ。それでも上を見続けていないと、現状をキープすることすら難しい。どんどん下がっていって劇場作品月1カットになってしまったりする。数字に対するこだわり、これくらい描きたいんだっていう願望を持ち続けないことには維持すら難しい仕事だから。「人よりいっぱい描くんだ!」って云う、「いいカットをいっぱい描くんだ!!」って云うのが、もう、最高のモチベーションじゃないとね。

        No.09 「べつに俺の働きが悪くても大丈夫だろう」に続く


 
       
       
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