2005.04.22  
   
 
 
 
   
   

No.19 「ほら、達成したい数字と、・・・現実と」

堀川:先回のインタビュー原稿を読み直して改めて考えたことがあるんです。今日はP.A.WORKSのプロパーアニメーターの養成方針を僕なりに少しまとめてみたので、コーヒーとケーキでご意見を伺えればと思います。

 (2004年の)12月からかな、新たに3人が初原画の仕事を10カットくらいやったんです。1ヶ月半くらいかかった。今は2本目をやっているんですけど、やはり10カットくらいで苦戦しているんですよ。レイアウトは川面(恒介)が小さなサイズのラフで描いたものをチェックしているんです。川面のO.Kが出たレイアウトをクリンナップするのに1日2カット!
井上:へぇー、必要以上に慎重になっているねぇ。
堀川:そのスピードじゃ食えないよって話は、川面もずっとしてて
井上:動画も平行してやってるの?
堀川:もちろんです。でも、それだけ遅いのは、動画を描いているからだけじゃないですよね。「何故描けないのか」って川面の問いには答えは返ってこないようだし、そう言い続けると俯いてしまうだけなので、たぶん彼ら自身がどうすれば早く描けるのか、とか、技術的に高いレベルになるのかなんて全く解らないまま・・・
井上:でも、まぁ、清書が1日2カットなら5日間で終わるでしょ? 清書に行き着くまでがどれくらいかかっているかわからないけれど。
堀川:その方が長いですよ!これはまだレイアウトだから。井上さんのQ&Aでレイアウトと原画のペース配分を聞きましたが
井上:あれを改めて読んでみると、理想と現実が入り混じっているよね、ハハハ。
堀川:えーっ、1:3じゃないんですか?
井上:それは理想で、現実にはもちろん担当するカット数によって違うけど、レイアウトが1週間で終わることはあんまり無いなぁ・・・
堀川:でも、制作が1ヶ月の原画スケジュールで線引きをするときは、レイアウト1週ですよ。
井上:ま、それはもちろん、それくらいを目標にして、せいぜい10日くらいで
堀川:でも、60、70カットの原画を1ヶ月でやるには、1週間でレイアウトをやらないと無理じゃないですか?
井上:60、70カットだったら俺も1週間ではできないかなぁ。
堀川:!! だって、井上さん1ヶ月で100カットの原画をやったって
井上:それは昔の話です! 今のクオリティーでは当然無理だよなぁ。
堀川:えっ! あっ、そうなんですか!!
井上:だから、そのへんが、ほら、達成したい数字と、・・・現実と
堀川:でもですよ、それを言ってしまうと、テレビシリーズの原画単価が4,000円のものをやったとして、月60カットで24万円の収入を目指すのは無理だよなって言ってしまうことになっては
井上:もちろん、そこはみんな達成しないといけないよね。
堀川:???
井上:目標って云うのは簡単に達成できる数字では意味が無いでしょ?漫然とやっていたらできないくらいの数値でないと目標の意味が無い。60カットをひと月って云うのはそんなに無理のある目標じゃないと思うよ。やってる作品によっても全然違うだろうし、I.Gのテレビ攻殻と普通のテレビシリーズでは全然違うだろうし。
堀川:それもQ&Aにありますよね、テレビ攻殻なら50カットと
井上:攻殻50カットやったことないから・・・。でも、1ヶ月攻殻に専念したら50カットくらいできるんじゃないかなぁ。攻殻は大変な部類だよね。
堀川:攻殻の原画の場合、レイアウトにかかる割合は大きいかもしれないですね。
井上:今はあんまりレイアウトの描き方に差は無いんじゃないかな。作品によって分けるんじゃんくて、レイアウトをきっちり描く習慣のある人は、どの作品でもきっちり描くだろうし、攻殻だから特別レイアウトに時間がかかるって云うことはないんじゃないかな。



                     No.20 「ハッキリとした答え」に続く


 
         
             
             
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