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      2005.05.06  
   
 
 
 
   
 

No.26 「キーワードは執着と訓練」


堀川:その価値観がぼんやりとでも見えてきたら、次は実現のために課題を探そうと。僕はね、職人アニメーターのキーワードは何か考えたんですよ。二つ思いついたんですけどね、1つは‘技術’、もう一つは‘自己管理’=セルフマネジメント能力。この二つを兼ね備えていることです。井上さんは両方突出しているんですよね。アニメーターを職業としていくのであれば、自己管理能力の中でも特にタイムマネジメント能力を兼ね備えていないと。
井上:うん。
堀川:この二つの課題について、「何をすればできるようになるのか教えてください」って言われたら、僕はどう答えよう、彼らにはどんな情報や知識が必要なんだろうとずっと考えていたんですが、これも間違いだと解ったんです(笑)。井上さんの先回のインタビューを読み直して、―やっぱり僕には記録しておくことが必要なんですよ―この解決策に関係ありそうな箇所で、僕の引っかかる言葉を拾ってみたんです。これがそうです。50くらい。
井上:(プリントアウトしたメモをみて)えーっ(笑)
堀川:それでですね、同じような内容のグループに分類してみたんですよ。その集まりを一言でまとめたら何だろうと考えてみたんです。そしたら、まず、井上さんから学ぶべきは技術ではなく、これだと。
井上:執着ねぇ・・・
堀川:姿勢でした。技術に対する執着心と、自己管理=物量と時間管理に対する執着心。執着心を持って、継続して訓練することなんだと。
井上:性格みたいな部分があるからね
堀川:巧くなりたいと云う強い思いがないと、いくら井上さんが技術の知識を与えてくれたところでモノにならないな、と。まだその前の段階なんです。
井上:執着心は教えることは出来ないよ。ある種持って生まれたものだからね。
堀川:でも、少なくともアニメーターになりたくて入ってきた子たちだから、もっと強く興味が持てれば・・・そんなの持ってろよで終わるのではなくね、執着心が強い人が勝ち残ると。最終的にはね。
井上:うん。
堀川:何を探ればいいのかわからないような段階の子たちに興味を持たせて、執着心を持つきっかけが作れないか、現場の教育でね。
井上:うん、そう云うことが例えば職場で話題になる、最近どこへ行っても職場でそう云う話をしていないのがさ、気になったんだよ。「ここやったの誰だろう」って話題になるようなことがさ。まぁ、正解が判る判らないはともかく、引っかかる作画がある。巧すぎて引っかかっても、妙な癖があって引っかかっても、何でもいいんだけど、他との違いを発見する。見分けられる力は無いと駄目だし、そう云うのが気になったときには、職場で話題にするって云うようなことがさ、大事だと思うんだよね。そう云うことを話題にしていい。そう云うことがないと、なかなかアニメーターの仕事に対する気運が広がっていかないね。例えばマニア同士の会話を聞いて、あ、そんなふうに見てるんだ、とか、自分はサラッと見ちゃったけど、先輩の言っているのを聞いて見直してみると、確かに他とは違うな、とかね、そう云う興味は小さな一歩だけれど、大きな前進だと思うんだよね。
堀川:そう云うことを語っても日々目前の仕事に追われてなかなか自発的には取り組めないようなので、それさえも課題をいっしょに考えようと(笑)。
井上:ははは(苦笑)。


No.27「違う違う違う」−20代で物量の限界は決まる!?−@に続く

 


 
           
           
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