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      2005.05.25  
   
 
 
 
   
 

No.34 「その通りだと思うよ」−技術習得の姿勢−A

堀川:井上さんは僕みたいにゴチャゴチャ考えなくても自然にできてしまっているんでしょうけど
井上:うーん、それをね、堀川さんが何とかしたい、解明したい、システムとしてね、養成カリキュラムを作りたいって気持ちは解るんだけど、言葉で解決できたからって、すぐ上手く実践できることでは無いような
堀川:僕は彼らアニメーターの技術的な問いに答えることはできないけれど、自分で考えるきっかけをバンバン与えていこうと思うんですよ。そのうち自分で何かを掴んで、作画にハッと目覚めれば、若い子は著しく伸びてくると思うんですよね。だから会社に貼ってある彼らのあのクロッキーを見たときに、時にはあまりに絵に気持ちが入っていなくて怒りがこみ上げてくるのもあるんです。絵描きなら貼った絵で差をつけて、自分の力をみんなにアピールしてやろう、くらいの気概があってもいいのに。でも、「こんなの貼るくらいなら描くな!」と言うのは抑えて、継続してクロッキーの訓練は続けて、何かのきっかけでスイッチが入ったときに、そんな絵がどう変わるんだろうなーと。それまできっかけを与えてみようと思うんです、今は。僕自身いつも悶々として、答えを掴むのに何年もかかっていますから(笑)。
 ピリピリと抱き合わせのハイテンションな現場にしたいと思っているんですよ。彼等が自分で考えて取り組んだ課題に結果が出れば、そのノウハウを蓄積していこうと思います。そりゃぁ井上さんみたいな技術と自己管理に卓越した人が現場にいてくれればベストですよ。技術は盗めませんけど、仕事に対する姿勢とか、作画に対する執着心とか、そう云うものだけでも見習ってくれれば。リチャードウィリアムズが‘その人の経験から滲み出るものをキャッチしなければならない’って、これこそ経験から出る実感のある言葉だなと。井上さんの経験から滲み出るものをね
井上:まーね、間近で見られた方が・・・ささいな問題だけど、どんな鉛筆を使っているかを見るだけでもね、以外に軟らかい鉛筆使っているなとか、それがどんなことでプラスになるかって、そう云うのを間近で見られるのは大事だよね。どんな下描きなんだろうとかね、ゴミ箱見てみるとかね、そう云う環境は大事だと思うけど富山にいたら難しいかもね。でも俺も目標になる人は身近にいなくてもあんまり問題ではなかったよ。画面を見れば直接ではないけれど見られるわけだから。何かいいことを教えてあげられればいいけど、俺も我流で学んできたことばかりだから。同じくらい悩んで、こんなことで悩んでいるんですって云う具体的な悩みがあれば、もしかしたらもっと具体的なアドバイスができるかもしれないけど。画力が足りないので教えてくださいって言われると難しいね。いや、でもね、よくわかるの。それは誰もがかかえている悩みだからね。
堀川:‘井上さんから直接聞いたこと’と云うその行為自体が喜びになってしまってはいかんですしね。彼等の知りたい知識が明確で、身近で答えてくれそうな人がいなければ、誰かに訊く手段は僕にいくらでもあるので、その助力は惜しまないからそこまでは自分で執着心を持って掴んで欲しいんですよ。「見ても違いがわかんないんですよねー」、「そうなんだ、じゃぁ判るようになれよ」から、もっとこちらから踏み込んで行こうかなと。そのままポヨヨーンと過ぎていくのを見ていることがもどかしくて。そのためには今仕掛けるしかないんですよね。始めて最初の数年で蓄えた執着心のエネルギーで、ボーンと6年間で行ける所まで突き進むんだと。
井上:うーん・・・その通りだと思うよ。


No.35 「ディズニーの方が全然上」に続く

 


 
       
           
           
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