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      2005.05.27  
   
 
 
 
   
 

No.35 「ディズニーの方が全然上」

堀川:少し日本の作画スタイルの変遷のようなものを知識として教えて欲しいのですが、まずディズニーの表現と、1950年代後半から東映動画長編時代のアニメーターが目指した表現の違いを。‘東洋のディズニー’を目指したんですよね?
井上:それはポジションと言うか位置的なものだよね。何ら影響されていないと思うよ。ディズニーの作画形式にはね。
堀川:何故なんですか?
井上:わからない。
堀川:その前の日動映画からディズニーの作画スタイルを良しとしなかったんですか?
井上:わからない。まず情報が無かったって云うのもあるんじゃない?実際の原画を見ることもなかっただろうし、上映されたものは見たかもしれないけれど、不思議なくらいディズニーの影響を受けているものは無いよね。ロシアのソ連時代の作画表現も全然ディズニーとは違うけれど、今、海外のアニメーションは全てディズニーの模倣って言えるよね。カルアーツの出身者が各国に散ったってことなのかなぁ。画面を見ると、ディズニー製かなと思ったら、スウェーデンやデンマークのアニメーションだったりするからね。技術的にもほぼ同じだよ。デザインのセンスから美術のセンスからもう、国の違いは無く日本だけがむしろ独自の発達を遂げたって言うか。
堀川:ロシアですか・・・「雪の女王」見てたら途中で寝てしまって・・・
井上:あぁ、俺も寝そうになるよ(笑)。
堀川:話を戻しますが、ディズニーの黄金期のアニメーションと、東映長編時代のアニメーションを比べて見て、追求したアニメートはどの部分が全く違うんですか?
井上:うーん、違うよね、全然ね。
堀川:例えば技術的にはほぼ完成された時代の「白雪姫」を、当時の東映のアニメーターは見ているじゃないですか?
井上:たぶん見てるよね。
堀川:それに対して「俺たちのアニメートはこっちの方向じゃないんだ」ってものがあったってことですよね?それを取り入れなかったのは。
井上:あったんだろうねぇ。ディズニー風にならなかったってことは、あったんだろうけど。
堀川:経済的な制約が要因とかね。
井上:ディズニーの技術が完成されたころのものとね、東映長編時代の充分いいとされているものを比べたって、やっぱり、その、技術的には差があるよね。もう、ディズニーの方が動きをコントロールする技術では全然上だよね。ちょっと乱暴な言い方をしちゃうと、動きをコントロールする技術では、プロとアマチュアって言ってもいいくらいのレベルの差だと思うんだよね。
堀川:好みの問題じゃなくて?
井上:じゃなくて。とにかくもうね、動きをコントロールできているかどうか、と云う点では日本のアニメーションってずっと動きをコントロールできずに来ていると思うんだよね。それは今でもそうだと思う。
堀川:自分が頭で描いた動きが形にできないってことですか?
井上:それが曖昧な上に、それを原画で表現する技術があまり。ディズニーは原画を描く上で非常によく動きをコントロールしている。コントロールする技術がないとあの動きは描けない。そこが日本のアニメーションとディズニーとの一番の違い。だから、日本のアニメーションってずっと動かす技術不在で来ていると言ってしまっていいんじゃないかなぁ。


No.36 「日本は常に迷っている」に続く

 


 
       
           
           
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