監督になると益々スケジュール管理能力が必要になりますが、演出を始めてから自分の時間管理で訓練してきたことはありますか?

特にないですね・・・
一つだけ気をつけていることは、『遅刻をしないようにする』こと

   
 

No.4 「消化試合でノーヒットノーランを見せてやるよ」

 「攻殻機動隊」のTVシリーズ化に着手することは「負け戦」だと言われた。一つには「GHOST IN THE SHELL」劇場ヒット作との比較、もう一つは劇場作品「イノセンス」がI.Gで並行して制作されるという状況。当然力のあるスタッフが流れることになるし、やはりクオリティーを比較されることになる。周囲の助言、諫言、忠告の中、躊躇することなく監督に手を上げた当時の思いを聞いてみました。

堀川:みんなが言う「勝ち」っていうのは視聴率じゃないよね。世間で騒がれるってことなのかな。
神山: 「僕にもさっぱり分からない。結局売上を宣言する監督もいなければ、視聴率の目標を掲げる監督もいない。つまりそういった評価に自分の身をさらす行為はしないわけじゃない。それをして勝ち負けをを言うってことは、たぶん自分が納得するものを作り上げられないんじゃないかと思っているんじゃないかな。」

自分がやりたいことって言うのは企画じゃないんです
堀川:納得するもの―攻殻では自分のやりたいことが入れられないってこと?
神山: 「企画というのは僕は入れ物のことだと思うんですよ。自分がやりたいことって言うのは企画じゃないんです。それは誰にでもあるもの。企画には自分以外の人も参入してくるわけですから、誰もが乗れるものじゃないとだめなんです。これが作れるかどうかが企画が決まるということなんですよね。箱と中身を混同しちゃいけない。「負け戦」を唱える人は、箱まで自分でつくらなきゃ負けだと思っているか、自分が持っているものは(攻殻機動隊という)箱には入らないんだと思っているかだね。箱と中身を同時に発明できるような天才であればさ、それに越したことは無いと思うよ。」

僕は打席に立てることの方が重要であってね
神山: 「今回監督として打席に立ちたいとか、プロデューサーとして打席に立ちたいとか、キャラクターデザインとして打席に立つというチャンスは提示されたのだから、それだけでもやりたいことは叶っているわけですよ。攻殻ではそれができないというのは、僕にはその理由はわからない。全部自分でやりたいと思っているのか、あえてひどい言い方をすれば、本当はやりたいことがないんじゃない、というかね、僕は打席に立てることの方が重要であってね、毎回最終回のツーアウト満塁で自分が打席に立って、満塁ホームランを打つっていうシチュエーション以外打席に立たないよっていうかさ、勝てる試合にしか登板しないというよりは、消化試合だろうと登板してね、じゃあ、消化試合でノーヒットノーランを見せてやるよって言う気概だったかな。」


No.5 「泣こうが、喚こうが、右」 に続く



 

 
       
       
 
           
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