2004.11.08  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.6 「あそこに集まれば面白いことができそうだ」

―多くのプロダクションが業務の外注化を進める流れに逆行して、I.Gは演出、作画の制作会社から、仕上、背景、撮影、3D、ゲームプログラマーと社内一貫制作体制を着々と整えてきた。監督の現場がそこにはある。神山さんはこの環境をどう感じているのか、また9スタは「攻殻機動隊」の制作を通してどんなスタジオを目指したのか聞いてみました。

神山:「先ほどの話とある種逆行はするんだけど、I.Gは綺麗な会社だと思うんですよ。80年代後半にはタコ部屋のようなスタジオってあったじゃないですか。そういうところから生まれてきた熱気みたいなものとは真逆で、プロダクションI.Gに所属していること自体たぶんみんな誇りに思えると思うしね、スタジオは綺麗だし、安定して供給される仕事もある。たまには外の物をやってみたい、と言い出す者も出るほど贅沢なスタジオだと思うんですよ。その中で理想を言えば、アニメーターや演出がね、何かしでかしちゃえっていうか、9スタではそういうことができそうだと思えそうなスタジオにはしようと思ったね。

26回打席があります
神山:9スタの制作スタッフは恵まれていたと思うよ。I.Gは今まで劇場など制作スパンの長い作品が多くて、制作が現場の山場を何回も体験する機会がなかったじゃないですか。でも9スタは、何回も山場を経験できるスタジオになった。劇場作品はワンチャンスでホームランを打って見せなきゃいけないけど、今回は26回打席があります、というふうに説明した。9スタ自体I.Gの中では若いスタジオだし、山場を26回新鮮味を持って体験できる。それが醍醐味だなとも、今回初めてテレビシリーズをやってみて思った。でも、昔からI.Gの作品はハードルが高そうだとか、難しそうなタイトルだとかとかさ、そういった負のイメージも、制作現場の意図ではないのに外部には伝わっていることも多かったようだね。

攻殻という作品にはならなかったと
神山:あそこに集まれば面白いことが出来そうだ、っていうところまではまだまだたどり着いてはいない。だけどね、いい現場にはしようと思ったけど、好きにやっていいという条件のもとに皆さん来て下さい、という現場を目指したわけでもないからね。俺も頑張っちゃったから、クリエーターの暴れたいという思いを凌駕するだけの条件を出していったからね、そんなには暴れられなかったと思うんですよ。それをやったら違った勢いは出たかもしれないけど、それをやってしまった場合には攻殻という作品にはならなかったと思うんですよ。まあ、少なくとも、俺はいい結果を生まないと思ったからこうしました。


No.7「証拠さえありゃあいいよ」に続く





 

 
       
       
           
           
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