2004.11.19  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.11「だけど船倉に穴は開いているんだよ」

堀川:「僕らの世代」の話をしたいんだけどね、僕らアニメーションを観て育った世代は、過去アニメーション業界の地位を向上してきた先輩達の恩恵に与ってきたんだけども、だけど(業界の)将来はそんなに明るいものじゃないぞって云うのは―そう云う危機感だけは持っていると。このアニメーション業界だけに絞ってね、僕らの世代は10年後、20年後の業界に何を残せるかを考えることが僕がこの仕事をやっていく上で一つのテーマでもあるの。過去の先輩達が僕らの為に何か残そうとしたとは思えないけど(笑)
神山:あー、思えないね。僕らを消費してでも自分達のやりたいことを通そうとした人達はいるけどね(笑)
堀川:それが、たまたま今アニメーション業界がこんなに注目されている。現場とは温度差があるけど社会的にね。昔アニメーターの職業が社会的にどれくらい認知されていたかに比べれば、僕らの職業は先輩達が築いてきた功績によってある程度社会的支持を得る、まではいかないけど。
神山:うん、まあ、ラッキーはくれたよね。この業界に就職するって言った時にね、僕らの両親には2年くらい人生勉強のつもりでやらせればそのうち田舎に帰ってくるだろう、と思われていた商売ですよ。一生続けられる商売ではないと言われていたわけじゃないですか。それがこの歳まで続けられているどころか、海外でそれが売れて、社会的にまで認知されるようなものが出来てきたわけじゃないですか、運良くね。たまたま、沈没船だと思ってたら宝島に着く船だった―のかもしれない、じゃない? 宝の地図はあったんだよ、船に。だけど船倉に穴はあいているんだよ(笑)。どう考えてもさあ、乗り合わせたこの船は! だから、人的資源もそう、宝島に着くのが早いのか、沈没するのが早いのかっていう業界だと思うんですよ。


No.12「到達目標は持つべきだと思うんだよね」に続く

 
       
       
           
           
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