2004.12.15  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.22「これを成功と呼ぶか」

―アニメーション業界の成功者は、もっと成功例を外に見せるべきじゃないか。今後この業界を目指す人たちにとってのスタープレーヤーが、成功してどんなもの―金銭的なもの、名誉を手に入れられるかを見せるべきじゃないか。そういう人はオープンにして、どんどん出て行くべきじゃないか。そんな質問が参加者から監督にありました。

お客さんの目を意識していることは、ほぼ無かったね
堀川:でも、この業界に入ってくるクリエーターにとっての「成功」なんだけど、例えばレベルの高い作画を描いたとして、これはもう視聴者が見てもわからない「違い」だったりするでしょう? 彼らは何に向かって描いているかって云うと、同業種のクリエーターにアピールすることが大事なんだよね。野球のような数字じゃなくて、誰に認められることを「成功」と思えるかってことだけど。
神山:同業者が見て誉められないような物を作るとヤバイって云う意識はあったとしても、お客さんの目を意識しているってことは、ほぼ無かったかもね。成功をね、外に見せていくことはもちろん必要なんですけど、僕が成功しているかっていうと、僕なんかまだ全然成功していない。ようやく、会社に先に就職した同世代の人たちと同じ年収に追いついたかな?くらいですよ。これを成功と呼ぶかって言ったら、全然成功じゃないです。この業界に成功例は極端に少ないと思いますよ。宮崎(駿)さんくらい成功して初めてプロ野球選手のトップランナーと同じくらいかしら〜ん? というくらいで、まあ実際の稼ぎかは判らないけど。
 
外に向けているんだ、僕たちは

神山:あと、やっぱり野球っていうのはマスコミと対になってる産業でしょう。そうやって成立しているジャンルだと思うんですよ。大リーガーってあれだけの年俸をもらう代わりに、マスコミが追っかけるし、プライベートがなくて嫌な思いもすると思うけれども、社会福祉に参加したりとか、最低限ファンにサインするとか、そういうところを徹底されているわけですよ。もちろんそこまでの力を持ったマスコミとの連帯なんてシステムさえ無いこの業界だけれども、でも、外に向けているんだ、僕たちはって云う意識をもうちょっと持つべきだと思うんですよ。ぼくはそう思うんだよね。

No.23「人に見られることに誇りを持てよ、とかね」に続く

 
       
       
           
           
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