2005.01.07  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.31「押井さんの真似してやりま〜す」

カット1も同じでいいよ
堀川:成功例のモデルがあれば、その人から手順を学ぶことは出来ますよね。
神山:真似をして、たぶん自分に合わない場合もあると思うんですよ。そしたら途中から軌道修正すればいいわけでね、また最初の話に戻るけど、新人の頃は師匠に言われたことは、これは真似するもんだったんですよ。疑う余地すらなかったわけ。でも段々その余地が出てくるんだよね。自我が形成されてくるから当然なんですよ。そのときに分かれればいいんです。いや、そうは言ってもこの人に付いていこうってこともあるかもしれない。
 これも監督をやって初めて気付いたんだけど、攻殻は押井さんが作った、士郎さんの原作がある、ゲームのムービーもあると云った時に、当然最初は「全部リセットしてやろう」と思うわけ。「同じことはやらない」と思うわけ。でも、やらないぞって云うのは、やら、無い、んですよ。無いんです。だけど、「いいや。俺は押井さんの弟子だから、全く押井さんの真似してやりま〜す」って言って、キャスティングもほぼ同じ、カット1も同じでいいよと。そしたら、押井さんの攻殻とは違うね、と言われたわけですよ。何故かと云うと、同じキャスティングだから違いが判ったわけですよ。もし全部リセットして俺が新たにしたキャスティングだったら、成功しても失敗しても押井さんとの違いは判らなかったんです。でも、押井さんと全く同じにしたから、「押井さんに比べて若いねぇ」とか、「押井さんよりエンターテインメント性があるよ」とか言って貰えたわけですよ。それは、この針がどっちに振れるかって云う、まず最初のシーンがあるからですよ。むしろ最初は人と同じことをやれ、とおもいましたね。

No.32「ありもしない自我を頑なに守る」に続く

 
       
       
           
           
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