2005.01.14  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.34「振れ!」

堀川:原画マンを育成するのにインキュベーターは必要だと思う?

3年毎日スイング2,000回
神山:うーん、これも野球の話しになるけど、第一次長嶋内閣の時には鉄拳制裁もあってね、こいつだと思った選手はもう本当に厳しく鍛え上げたけど、今の子にそれをやっても無理だと。まず理論、みんなが納得する理論を教えなきゃいけないし、鞭以上に飴が必要だしね、そういう時代になりましたと。それでも松井には凄く厳しく教えたんですよ。最初の3年間はゲームが終わるとそのまま長嶋さんの家に直行して2,000回スイングさせる。長嶋さんがO.Kだって言うスイングの音がするまでは振らされたらしい・・・。松井はスランプが長かったから、その後も打てなくなるとまた呼ばれた。当の本人はすごく幸せを感じていたと言うけど、やってた時は厳しかったと思いますよ。他の連中が飲みに行っているのに俺だけがこんなにってね。でもそれは、ジャイアンツの4番を打つためにお前はやるんだと。長嶋茂雄を継承しろと云うことでやってきたわけで、結果的にはヤンキースで4番を打つわけですよ。
 松井はラッキーだったと思うよ。強制的にバットを毎日2,000回振れって云うね、しかも長嶋さんが降りてきて「振れ!」って言われたら、それは幸せ以外のなにものでもない。でも長嶋さんはカリスマだからね・・・。そこは俺にはまだまだ足りない部分だし、俺の言うことはただのお説教にしか聞こえないと思うの、今は。だけど俺は強制もする。ただ、俺に資格が与えられなければ当然誰も付いてこないし、それなりの結果を俺がださなければ説得力も無いと思うんだけどさ。

もう日本人使う必要無いよっていわれたら・・・
神山:もちろんね、(アニメ業界で)松井クラスの人材に巡り合える機会だって少ないじゃないですか。景気が悪いって言ったって、一流企業やメーカーに就職しにくくなったと云うだけで、まだまだいい仕事はいっぱいありますよ。この国は就職にそんなに困っていないよね、その気になれば。それでも人材を育成して前に進まないと、この業界は簡単に韓国や中国に抜かれちゃうよ。極端なことを言えば、もう日本人使う必要無いよってことになるよ、このままじゃ。やっぱりおいしい仕事ほど外にどんどん出てっちゃうわけだからさ。

No.35「倒すべき敵」に続く


 
       
       
           
           
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