2005.01.21  
   
 
 
  Q&A
   
 
No.37「石川さんのポケットの中身A」
      ―本田宗一郎がピストンリングを磨き終えた日―

その時期にI.Gにいられることを誇りに思うもん
神山:俺は石川さんに直に聞いたことはないけど、たぶんI.Gブランドで流通まで確保して、ソフトメーカーにまでなろうと思っていると思うよ。ただ、内部にそう云う部署を抱えることは、これはすごいリスクじゃないですか。バンダイビジュアルのデジタルエンジン構想が、制作現場を持つリスクを証明したけれど、逆にね、メーカーにまでいかない限りこのロス構造は無くならないんだって云うね、そこまで石川さんは考えているじゃないかと思うわけ。わかんないよ、これ、石川さんの考えることだから。
 本田宗一郎が自動車メーカーに進出しようとした当時、国が日本の自動車産業をすごく後押ししていた。「海外と競争しなきゃいけない時に、国内に第三の自動車メーカーを創るとは何事だ」と、 通産省のハードルが非常に高くなっちゃったんです。自動車メーカーになることが非常に難しくなった。「競争している時期じゃないんだ。お前のところは技術はあるからトヨタの傘下になれ」とオファーを受けた。その時に本田宗一郎は、「とんでもない」と、自由競争って云うのはそういうことじゃないんだ。それを国がスポイルしてどうするんだ、と。「ホンダがメーカーになることで、トヨタと切磋琢磨することが日本の自動車産業が海外に勝つことなんだ」、と言って強引にメーカーになったわけですよ。
 石川さんもそれくらいのスケールでは物事を考えているんじゃないかと思いたい。俺は。その時期にI.Gにいられることを誇りに思うもん。ピストンリングを磨いていた町工場のオッサンがホンダは自社で自動車を作りますと。そういうところまでは来たんだって言っているんじゃないかと思っている。本田宗一郎級かそれ以上、俺達が度肝を抜かれるようなスケールでね。
堀川:僕のような制作や経営者から見てもI.Gがね、アニメーション業界のリーディングカンパニーとしてどんな成功例を見せてくれるのかな、とか、石川さんが描いているシナリオってどんなものかって考えるだけで刺激になりますよね。
神山:以前借金のしかたを例えにして、松家(プロデューサー)に話しをしたことがあるんですよ。
たぶん石川さんはポケットに150万円あるのに、お金無いから100万円借金させてくれないかなって云う借金の仕方をするんじゃないかと僕は想像する。でも、松家はポケットに50万円しかないのに、返すめどはあるから100万円貸してもらえないかって言い方をしていると。その差は大きい・・・。もちろん石川さんだって博打打ってる時はあるかもしれないよ。でもポケットスカスカでね、あたかもあるように勝負に出たって、一回は成功するかもしれないけど続かないって。それは勝算あっての博打ですよ。

No.38「説得する商売だ」に続く

 
       
       
           
           
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