2005.01.24  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.38「説得する商売だ」

他者を説得する時期に来たってことですよね
神山:人を動かしていかなきゃいけない立場なのは、経営者だろうが監督だろうが同じじゃないですか。押井さんはこう云う言い方をよくするんだよね。説得するって。「説得する商売だ」って。理想を言えば「納得」してもらうのが一番いいんですけど、万人が納得することってありえない。その時は「説得」しなきゃいけないんですよ。その繰り返しだって云うね。押井さんは最小単位も最大単位もそうだって言うんですよ。ようするに、動画マンが原画マンになりたいんです、と云うのも先輩を説得することだと。自分が監督になる時にね、「うーん、彼だったら監督をやってもいいだろう」ってみんなに思わせる、これも説得だと。スポンサーに金を出してもらう、これも説得。もっと言えば観客が面白いと言って金を払ってくれる、これも説得なんですよ。押井さんのロジックは「説得」と云うところに全てが帰結しますね。俺もそうだと思う。今後は俺や堀川さんは、もうボチボチそっち側なんだよね。説得される方が楽なんだけど、そろそろ場合によってはインチキを買ってでも他者を説得していく時期に来たってことですよ。例えば、「この動画、影で潰れるかもしれないんですけど描く意味あるんですか?」って言う動画マンを、「あるんだ」と。「君がその影で潰れるかも知れない動画を割ってくれることが、20万本の売上に繋がるんだ」、と説得していかなきゃならんのです。で、20万本売れないことが続けば会社は潰れるし、監督はできなくなると云うところに来たなーって云うことが分かった。

爆心地に近かっただけだった
神山:実はどのセクションでも、新人の動画マンであろうが、会社の経営者であろうが、大なり小なり同じ状況であると云うことも分かった。ここまで歩いて来てみたら。だからね、監督というのは高さではないと云うことがわかりました。監督というのは爆心地に近かっただけです。だから横から見るとフラットだった。登っているのかなと思ったけど、登っているわけではなかった。高見に上がったわけではなかった。新人の時から爆心地に近い所に向かって歩いて行ってただけ。そこにだいぶ近くなったんだって。そういう感覚です。

No.39「監督と云うよりは、おそらく仕事ですね」に続く

 
       
       
           
           
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