2005.01.28  
   
 
 
  Q&A
   
 

No.40「俺はベラベラベラベラ喋るわけ」

監督をやりたいんだとしたら
神山:「仕事さえしてくれれば才能あるんだけどねー」と言われ続けて、ついに仕事をせずに業界を去って行く人を結構見ていますよ。「俺が伝家の宝刀を抜いた時はお前が死ぬ時だ」みたいなことを言いながら、最後まで鞘から刀が出なかった人はいっぱいいます。俺が自分から行動を起こすのは、押井さんのようにプロデューサー的な手腕もいくらかあって手練れた人に多く出会ってきたから、そういう習慣がついたって云うのもあるし、このI.Gに来てから俺が監督をやる―好きなことを具現化するためには、俺には何が必要なのかをすごく学んだからです。
 まず自分がどうなりたいかと云うビジョン。基本的に俺は作品を作りたい。でも、俺はスーパースターでもないし、黙っていても「君、監督をやるべきだよ」って言ってくれるような人が現れるわけがない。行動を起こさなければ俺に監督をやる目はないことがすぐに分かった。監督をやりたいんだとしたら、監督ができるんだということを示すしかない。振られた仕事は一応ほとんど受けた。受けた仕事でいい結果を残すしかないんです。

全部シミュレーションした
神山:引き受けた仕事で、監督をやる時にはどう云う事はやるべきで、どう云う事はやってはいけないかをシミュレーションしたし、上手いアニメーターが揃えばいいけど、そうでない場合はどうすればいいかと云うシミュレーションもやった。あと、1本の作品を引き受けた時に1回しか経験できない音響作業や編集作業を大事にしましたね。音響監督の誰と組む場合には何をやっておくべきかもシミュレーションしました。だから今回音響監督が若林さんに決まった時も、どこをどれだけやっておけば、あとは任せておけばこんなになっちゃうんだと云うことも計算できた。それは全部監督になるまでのシミュレーションで練習したことだよ。
 だから監督になってから作りたい物のビジョンをさがすとか、やりたい物が無い奴が監督をやる事は本当はありえないんだよ。作りたい作品がどう云う物か―最終的な到達点のビジョンを具体的に言えることが重要なんです。それは他人に説明すればするほど構造は強化されるしね。俺が作りたい作品はこうなんだってことを俺はいろんな人を掴まえてベラベラベラベラ喋るわけ。そうしているうちに自分の中で構造は強化されるんですよね。堀川さんも、そうした方がいいんじゃないかな。ただし、明日年商1億にするって言われても、これは、「明日俺、宮崎さんになるんだよ」って言っても誰も言うこと聞かないでしょうけど(笑)
堀川:うちは年商5億になるまで年商は載せないの(笑)
神山:年商は載せなくてもいいけど、目標は人に言っちゃう。そい云うプレッシャーを自分に課していくって云う意味でも話すんですよ。俺はね、そう考えてんだ(笑)。

No.41「『アニメ業界をダメにした3人の戦犯』に俺の名前が載る」
に続く

 
       
       
           
           
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