作画のとび箱  
 
 

 

 

No.08 マックスまで時間を使わない

* 動画をやっていて原画課題を描く時間が・・・って云うことになってしまっているので。

吉原:うん、みんなやっぱり動画を始めるとアニメを見なくなったりするわけよ。見る時間がなくなるとかね。よく言われるのは友達を無くす(笑)

* はは、はは、ああ、そういえば会ってない(笑)!

吉原:一般の職業と時間がもう合わない。ただ、それでも上手い人は世間と時間を合わせるための時間を自分で作っているからそれもできなくは無い。今はどうしても動画枚数をやろうとすると、やっぱり時間は使うよね。
 原画課題はね、今は比較的楽しいお遊びだと思って下さい。ここでやる課題はとにかく自分の好きにやって提出するって云うものでいいと思います。これで悩んでいる場合じゃない。今はこれを楽しめばいい。できれば提出日までに1課題につき2回出せればいい。つまりこの課題をその提出日までにやっとこさ終わらせるんじゃなくて、何度でもフィニッシュできるくらいがいい。強制じゃなくて、描きたいものがあればたぶんそうなるだろうし。俺の今までの経験で言っても、たぶん1回提出しろって言われたら、1回終わらせてもう1回提出するつもりくらいでいたほうがいいかもしれないよね。マックスまで使わない。これ、どれくらいかけてやるの?

* 1ヶ月です。

吉原:実際にね、1ヶ月って言われてみっちり1ヶ月かけて物を提出するってことって難しいんだよね。1ヶ月本当に使ってマックスでここまでやりましたって云うのを提出するのは。1回やってみるといいんだけどね。1ヶ月後に提出したんじゃなくて、1ヶ月かけてこだわってやったもの。そのためにはね、半月くらいで1回終わらせて、反復してもう半月を使うって云うくらいじゃないと駄目なんだ。一発で終わらせるんじゃなくて、1ヶ月の課題だったら15日で1回終わらせておく。あと15日使ってもう1回やる。前のヤツとあとのヤツを見比べて、いいところを取り入れたりして、こだわって提出したものが1ヶ月って云う課題の意味だから、実はさ。テストだと思えばいいんだな。時間ギリギリまで使ったものにはミスがあったりするじゃない?この仕事は1ヶ月って言われたら、実は15日と考えた方がいいんだよ。10日で上げて下さいと言われたら7日で1回上げる気持ちで、余った時間でもう1回反復してみる。見直しが多く出来れば出来るほど完璧なものが出来るわけ。1回目は悩んでないで最後までやっちゃう。
 動画もそうだよ。終わってから動検に見せる前に何回自分でチェック出来たか。そのためにはさ、1回目は早く上げるために結構大雑把に飛ばすしかないんだ。それで、上げた後に自分でチェックして、このカットはここの手をちょっと乱雑に描きすぎたので、この中割の手はもうちょっと時間をかけて描こうとか、そうやって精度を上げていけばいいんだよ。最初からマックスまで時間を使っちゃうと、意外と凡ミスを起こしていたりする。

* 最後までやって全て間違っていたら・・・

吉原:(爆笑)えーと、全部間違っているヤツは何か他のところに問題があるな。人の話を聞けないとか、理解力が無いとか。それはたぶん協調性の欠落。相手が要求していることを勘違いしてしまう。動画の技能よりも理解力ってことだから。
 せめて動検に見せる前に2時間でも見直せるようにしたほうがいい。動画ナンバーの書き間違いとか、小さなミスを見つけることができるよ。動画は残酷でね、そう云う凡ミスを1回やったらそのレッテルを貼られる。「あいつはそう云うミスをするヤツだ」って。
 俺は演出だけど必ずそう見る。この原画マンはミスが多いんだよなと思ったら、初めから何か忘れてやしないかと思ってチェックする。そう云うものなんだよ。たった1カットそう云うミスをしただけで、次に3カットミスの無いものを上げないと信用されないくらい凡ミスって致命的。性格からくるものだから意外に直らない。でね、動画でそれが多い人は原画になってもそう。だから相当気をつけないと直らないよ。そう云う凡ミスを防ぐために、1回反復できる時間が取れた方がいい。


No.09 「フィニッシュワークに対するこだわり」に続く









 
 
           
Copyright (C) 2004 PA works Corporation. All Rights Reserved