作画のとび箱  
 
 

 

 
原画マン
川面恒介    作画監督
鈴木美咲    入社2003.03 原画暦9ヶ月
高田 彩    入社2003.03 原画暦9ヶ月
夏住愛子    入社2003.11 原画暦9ヶ月
本多健志    入社2004.09 原画暦 5日

*本編の質問内容と写真はあまり関係ありません
 
   

No.15 原画担当シーンの選び方

吉原:実はこの作品で君が担当原画マンとしてどのシーンを選ぶかを見てたんだよ。どれくらいのカット数で、どう云う内容を選ぶかを見ていたんだ。原画マンなら誰でも自分の上がりを放映で見たいと云う欲求がまずあると思うので、自分の上がりをよりたくさん見ていたいと思えば数も増やすし、連続したシーンをやりたいものなんだよ。今は少なくとも40カットは繋がっているカットを選んでみな。そしたら比較的いろんなことのやりがいがあったなって云う感じがすると思う。40カット、2分以上自分の上がりを続けて見るっていうのが醍醐味だったりすると思うよ。放映見ると辛くなると思うけど。うわー早く終われーみたいな(笑)。俺なんかつい最近までそうだったよ。毎回何かを仕掛けてたんだけど、大失敗して二度と見ないように封印したビデオもある(笑)。
 ただ、やってみたい面白そうなシーンがあっても、自分の技術が追いつかなくてそのシーンを貰えないって云うこともある。その歯痒さ。そうすると、いつか自分から取らなくてもこのシーンを自分にやってくれと言われることを目指すようになるものだと思うんだ。だから自信のあるヤツって、「どこでもいいですから(私のやるところを)選んでください」って言うんだよ。何故かと言うと自分を試しているんだよね。相手に担当シーンを選んでもらって、この人が自分の原画の実力をどう評価しているんだろうかと云うのを見ているんだよね。あとはよっぽどやりたいところをやるか。俺はむしろみんながやりたがるところをやめて、一番地味なところを取って、でも一番目立っちゃうぞって云うのを狙ってたけど(笑)
 あとコンテ見てね、自分だったらここは避けたいと思っているカットを自ら選べるかだよ、今は。ここだったら数がやれそう、とか云うことよりも、『ここ自分が取ったらどうすればいい・・・』みたいなところを比較的今のうちにやっておけると肥しになるんじゃないかなと思う。常に苦手なものも早い段階で入れていってください。『うわーっ、コレはやってみてー』だけでは収めないで、何割かは『コレ、今の自分じゃ描けない』って云うカットも入れて、それを強化していくと云うことをした方がいい。出来るときに自分で何でもやる。
 今、もし具体的にぶち当たっている技術課題があるんだったら、それはもういっぱい原画を描くしかない。エフェクトがどうこうって言うんだったらエフェクトをいっぱい描くしかない。エフェクト・・・炎とか水は毎回描く機会があるわけじゃないので、1回やる機会があったときにどれだけ探求できるかが勝負なんだよね。その1回を大事にするしかない。しかもやっぱり数を多くこなしている人の方が上手いんだ。そこに辿り着くためにはカット数をやっていくしかない。このコンテだと苦手なところと、やって面白いところがあるなと思ったら両方奪っておくくらいの気持ちでやった方がいいと思う。当然数もやらなきゃいけないし、会社から言われている数もあるだろうから、それもクリアしなきゃならないんだけど、気持ち的にはね、それが伝わってくる方がありがたいかな。今は原画枚数いっぱい描いた方が覚えるよって時に、あんまり簡単なところを選んでも面白くないだろう? 
今回選んだシーンを見て、君が興味があるものはよくわかった。なるほどね、こう云うのがちょっとやってみたいのね、とか、あと生活にも追われるのでここで数を稼ごうというのもわかった。大事なものは忘れていないんだろうという気がする。原画を描く面白さ、この仕事をやる面白さみたいなものはあると思うから、それは続けて欲しい。


No.16 「探究する姿勢―その@」に続く



 
 
           
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