作画のとび箱  
 
 

 

 

No.19 原画のプランニング―そのA 中割に任せた方が上手くいくもの

* (重い物体と軽い物体が落下して地面に叩きつけられる原画について)上手く想像できないんです。

吉原:こう云うのこそ完成を画面で見ておいたほうがいいと思うよ。これ、原画プランが多分上手くいっていないんだ。
 卓球の球が跳ねた原画と野球のボールが跳ねたときの原画、軽いものと重い球が跳ねるときの原画の置き方って違うからさ。原画のタメるところ、中割を何処に入れるかで全然変わってくる。ヒントを言うと、ここにもう一枚原画を入れるんだよ。ここの間に原画がいっぱい入っているほど感じが出る。バーンって跳ねる動きの収まりって、粘った原画を描かないとうまく感じが出ないんだよ。しかも枚数をケチると思ったとおりの動きにならない。画面でみると、パタパタッ、アレッ? みたいな(笑)。収まりの方に少し意識を。始動は比較的中割に任せてもなんとかなる。
 ボールの跳ねを描くときに、単純に原画3枚だったとしよう。これが重い球の原画位置で、これが軽い球の原画位置。ツメ指示って云うのは原画を最小限の枚数で収めたときに、でも、このタイミングをとりてぇって時に打つものなんだ。つまり本来はここを原画にすれば、動画は単純な均等割りで済むんだよ。そうすればツメ指示に凝らなくても動画が均等に割ってくれさえすれば、中割ミスがないものがあがる。より自分が狙ったプラン通りの動きをミスなく動画に伝えるための原画。本来は原画がそこまで描かなくても、動画がその原画の意図をくんで中割するものなんだけど、一時動画がドッと海外に流れたときに、動画の質が荒れてなかなか原画のプラン通りの動きにならなかったために、原画でここまで描くようになった、と云うのが原画枚数が増えていった発端なんだ。
 原画がどこに必要なのかをもっと探求していくといい。それは自分で描いた原画をもう一回、「本当にこの原画を入れなきゃ表現できなかった動きなの?」って云うのを検証してみればいいんじゃないの。明らかにこれは動画の中割に任せたほうが上手くいくよって云うのが結構あるんじゃないかな。
 原画を描くときに同トレスする原画があるでしょう? 前の原画を。それって動画にやらせた方が上手くいくと思わない? 要するに残念ながらクリンナップってあまり存在しなくて、クリンダウンなんだよ、基本的には。つまり劣化していくんだ。君がこれだけの原画枚数を丁寧に描いた後で、作監がブッ飛ばしで修正を全部に入れたとしよう。動画マンは似たような絵を何枚も原画トレスするんだよ。さらに中割を入れる。その中割を入れるときは、これはタップ割りだよね? つまり動画マンは同じような顔を18枚も描くことになるんだ。どこが原画として必要なのか、どこが動画でできちゃうのかを考えたら、この動きでこんなに丸々原画を描く必要は無いわけ。この場合なら手は全部原画で描いたとしても、あとは「他、中割」にするの。それだけで全く同じ動きになって、しかも効率が良くて、しかも動画が比較的やりやすい。トータル的にクオリティーもアップする。そう云うことも考えて。何のために今まで動画をやってきたんだよ(笑)。自分が動画をやってきたときのことを考えてもそうじゃない。自分で後で原画をめくって、「あら? これ、中割で作れねぇ?」って、もう一回検証してみな。


No.20 「原画のプランニング―そのB
原画の作業手順」
に続く







 
 
           
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