No.17 「俺の願望はね、」
堀川:井上さんは長編作品をやる時は作品契約の固定給ですが、それ以外の時はそれだけの腕がありながらカット単価で仕事を請けられるじゃないですか。そうすると原画単価にはあまり付加価値が加算されづらい分、やはり数をこなさなきゃいけない。これだけ業界の長編作品の質とスケジュールと現場にも貢献してこられたんだから、固定給で数を絞って、さらに上の表現を目指してもいいんじゃないかと思うんですよ。
井上:俺の願望はね、でも、たくさん描くことだから。結局単価上がったって、俺の収入は上がるかもしれないけれどね、じゃあ、金銭的に余裕が出来たから別のところに時間を割こうって、多分ならないよ。俺の一番強い願望はやっぱりいいカットをたくさん描くことだから。お金って考えたことが無いのね。お金は、別にそうやっていればついてきてるでしょ?
そのお金のことで俺の何かが変わるってことはまず無いよね。
No.18 「最大のネックは教える側の問題」 に続く
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