2005.07.20  
   
 
 
 
   
 

No.16 「SMAPは誰に向かって歌い出したか」−制作細腕繁盛記−

石川:最近I.Gの制作進行の質が良くなったかなぁと思うのはさ、人を楽しませられる人間が増えてきたと思うの。それは大切なことだと思う。大げさかもしれないけど、人を楽しませられる制作進行は人が助けてくれるって。オレ、げんなりすると思うよ、原画描いている横で憂鬱な顔した進行から、「疲れたー、疲れたー」って愚痴ばっかり言われたらさ、みんなこいつと一緒に仕事やりたいと思うか? それよりも、ハツラツとしててさ、すごく気持ちよくやってくれて、カットが上がったらすごく喜んでくれる制作だったら、違うと思う。こいつの為ならってみんなが思うんだよ。質がいいって云うのは頭がいいってことじゃなくて、人を楽しませようと思えて、自分も楽しもうと思える人間。これが制作の質の高さだと思う、うん。そう云う人間が最近出てきたなと思った。
堀川:今日I.Gの新人研修会に招待してもらって、初めて会う新人・・・どの子が制作なのかは判らないけど、まず感じたのは『I.Gの制作はみんな、えらくキャラ濃いなぁ・・・』と。(*最も濃いのは3Dスタッフだったと後でわかりました(笑))
石川:ハハハ。
堀川:そのキャラのインパクトで採用しているんだなと思った。個性的で自分をアピールできるパワーを持っている。そこもちょっと・・・そのアピールが『自分が中心になりたい』と云う思いが強すぎると・・・難しいところだけど。
石川:うん。
堀川:それでも一歩引いて人の支えになれる人間じゃないと。専門学校の監督コースを出て、すぐ辞めていく新人を見ていて、最初から自分に華やかなポジションが用意されていると思ったのかなぁと感じることがあるから。人を楽しませて、うまく作品に巻き込んでいける人間が必要だと思いますよ。
石川:自分もそうだけど、制作進行は制作が育てるわけじゃないんだよ。スタッフが育てるんだよね。みんなそうだと思うけどさ、スタッフに接して、制作進行って云うのはどう云うものか、仕事ってどう云うものか、全部覚えていくもんだよね。それでいいと思う。そこにデスクがいて、制作担当がいて、プロデューサーがいるのは役割分担で、そのポジションがその人の適任かどうかは別に上司が選ぶんじゃない。周りのスタッフがピックアップするんだと思うんだよ、信頼で。自分が社長になったのも、プロデューサーになったのも、担当になったのも、自分から手を上げたっていう意識は少ないんだよね。スタッフが押し上げてくれた、育ててくれたと思っているんだよ。だからスタッフも制作に厳しいと思うよ。スタッフも周りも厳しい上に、上司も石川も厳しくトップダウンでこれをやれって押し付けてたら・・・軍隊方式ではね、まぁ、これでは自分も楽しもうと思う意識を摘んでしまうよ。辞める、間違いなく辞める、うん。
 そう云う制作チームの体制には昔の日本の旅館を感じるんだよね。板前さんシステムのような気がするの。「細うで繁盛記」、昔のドラマ、知ってる? 板前さんが強くてピリピリした旅館って云うのは、仲居さんが板前さんの機嫌を損ねないために、気持ちがいつも板前さんに向かっているのね。板前さんに気を使うだけで神経をすり減らしているって云うかさ。それだと板前さんは仕事しやすいかもしれないけど、それが日本の旅館の歴史だとしたら、今の時代はほとんど潰れちゃうんだよね。仲居さんの気持ちがお客さんに向かっていないんだもん、お客さん来ないよ。制作もそう云うことだと思うよ。上司よりもスタッフとお客さんに気持ちを向けて仕事をしないとね。だから、誰かが言っていたんだよ。今はSMAPの時代だからって。
堀川:
石川:SMAPの時代。リーダーの。
堀川:??
石川:・・・中居の時代だから。ハッハッハ。
堀川:『!!』


No.17 「それって・・・相手には伝わらない」に続く

 


 
       
           
           
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