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  No.02 「量産に耐えられるシステム」

遠藤:あの当時、今ジーベックにいる前田明寿(*1)さんがよくタバコを吸ってたんですよ。河野さん(*2)も一緒にいて、アニメーションでロボットを動かすのはこう云うものだって云うのをずっと指導してもらっていたんですよね。作画だったらこうするとか。タバコを吸っている場所で一生懸命熱演されているのを僕もひっついてよく聞いていたんですよ。じゃあそれを3Dはどうするかって云うのが僕の課題にどんどんとなっていったんですよね。
堀川:なるほど。
遠藤:ちょうど『サクラ大戦3』(ゲーム)をやりだしたころに、ここがチャンスだと思って。3Dでモーションを作る上で、もっと前の段階でやらなきゃいけないことがあるんですよ。モデリングと云うところなんですけれど、いかに作画に合わせるようにモデリングできるかって云うのが最初の課題だったんですよね。
堀川:作画に合わせる?モデリングってアニメーターで云うとどんな作業になるんですか? キャラ表に似せられるかと云うことではなく?
遠藤:キャラ表に似せられるかって云うのが多分、ええ。いかに嘘パースを作れるようなモデリングもしくは、アニメのセル画のような質感を出せるモデリングをするかと云うところがモデリングの勝負どころになるのをその時に痛感して、それにまず着手しました。そう云うことを踏まえて、あの時考えていたのが、5年後10年後3Dがどうなるかって云うことなんですよ。リアル系3Dに行くか、2Dとの合成側3Dに行くかって云う分岐の段階で2Dとの合成を僕は選んだので、そのために何をしなきゃいけないかって云うのを延々と悶々と考えていて、『サクラ大戦3』のときに初めてセルシェイダーでどこまで突き詰められるかって云う課題をまず自分の中に作っていました。
堀川:違和感無く合成するためにセルっぽい処理をできるかって云うことなんですね?
遠藤:そうですね。その前まではできなかった技術で、それっぽいものはあってもシステマチックにはなっていなかった技術ですね。それから、カメラマップ(*3)や3D背景も『BLOOD THE LAST VAMPIRE 』でやっていたと思うんですけど、ワンオフものでしかありえないその状況下で如何にそれをシステマチックにするかって云うのが段々僕の課題になってきた。そうすると人を育てるしか道が無くて。自分の実験から行けるかどうかの判断もあると思うんですよ。仕事をしながらそう云う実験をどんどんやってみました。
堀川:そのシステムを量産に耐えられるものにしようと云うことですか?
遠藤:そうですね。でも量産に耐えられるのは一人ひとりのマンパワーが重要で、それに対する理解力とか気質みたいな部分を改善と云うか底上げしなければいけないので、それをまずみんなに順番に言いましたね。
 
*1 前田明寿 ジーベック所属のアニメーター
*2 河野利幸 演出 攻殻機動隊S.A.Cシリーズに初期から参加
*3 カメラマップ 擬似3D背景処理

   
   
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