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  No.03 「違う次元の3D」

堀川:僕は3Dの技術的なことは分らないのですが、経営者として3Dセクションの方向性をどう云うものにしようかと考えると、先ほど言われたように方向性はアニメーションとして確立したピクサーの3Dアニメーションのような方向か、2Dとどう上手く融合させるかと云う遠藤さんの選んだ方向がありますよね。P.Aは手描きアニメーターを育成して2Dと3Dを融合させる方向を目指しているので、ちょうど遠藤さんにその話を聞くにはよかったんですけど、まずアニメーション業界には今の作品数の多さに対応すると云う問題があって、その中で3Dはクオリティーを落とさずに量産するための効率化を図るツールとしての側面を非常に求められていますよね。ただ、量産の効率化ばかりに3Dの用途が特化していくと、実はこれ、アニメーターの轍をまた踏むことになるんじゃないかなと。量産ばかりでは3Dも早晩安価な海外に流れるんじゃないかと思ったんですよね。コスト面で安い方に流れるのは食い止めようが無い。今量産型を目指して効率化を目指している3Dも、その先を見て舵取りしないとやっぱり作画と同じように発注が海外に流れ出すんじゃないかと考えてしまうんです。3Dセクションをこれから立ち上げたとして、10年後はどうなんでしょうね? 80年代から作画の海外出しが始まって10年くらいかかって今では動画の海外発注割合は9割と言われているんですけど、たぶん3Dの流れはそれより速いと思うんですよね。海外もアニメーションに対する力の入れ方が10年前とは全然違うだろうし。
遠藤:早いですね。
堀川:そう云う流れに対して、遠藤さんが10年後に目指す3Dチームの形を今後作っていこうとしたときに危機感は既にあるんですか?
遠藤:既に他社では3Dの海外出しをしている段階ですね。特に韓国の3Dは今ゲームがメインなので、フリーの3Dスタッフはそう云う路線に来ていますね。それで、作画の海外流出の流れと今後の3Dの流れがいっしょになるかと云うと、僕は無いと。
堀川:無いと。
遠藤:たぶん3Dも簡易なものは海外に行きますけれども、攻殻クラスのものは無理だと思いますね。
堀川:それは技術的に高度なものだからですか、センスの問題なんですか?
遠藤:センスの問題もありますけれども、よほど理解しない限りはあのモデリングは出来ないって云うのがあるんですよ。他作品の3Dと比べてもらえれば一目瞭然だと思うんですけれども、攻殻のタチコマはそれらといっしょかって言われたら、たぶん違う次元にいるんですよ。カメラマップに関しても違う次元にいるんですよね。それはやっぱり育ててきている部分で、基本となるキーワードをまず知っているか知らないかなんですよ。それはたぶん一緒にやらなければ通じない部分。
堀川:そう云うものなんですか?
遠藤:ええ。

   
   
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