Stance Stance Stance
 
  No.04 「3Dの進化も止まらない」

堀川:今3Dスタッフは新しい表現を追求していくことに貪欲で、どんどん経験値を上げて成長しているじゃないですか? 神山監督が3Dスタッフの成長に対して、「それは単純にマシンを投入しただけではないよね。そこに関しては本当に意識変化とか、作品に対してどうアプローチしていくか、テレビシリーズよりもビルドアップしていくんだと云う明確な意識を持って望んでいるし、単純な生産量と云うことで言っても圧倒的にアップしていると思うんですよ。」(神山監督語録No.127)と言っていたように、演出の話を聞いても3Dスタッフの意識の高さが感じられるようです。3Dが挑戦している課題はモーションと、モデリングと質感があると思うんですが、どれをとってもまだまだ挑戦しなきゃいけない未完成の領域が大きくて、それを貪欲に消化しようとしているからものすごく伸びる時期なんだなと思ったんですよね。僕はついつい3Dスタッフの表現追求と、手描きアニメーターの表現追及を比べてしまうんですが、同じことが作画では90年代までに起こったと思うんです。じゃあ、3Dの表現追求はこれからどうなっていくんだろうと思って。3Dも作画と同じように、どこかで新しい表現の開拓の余地が頭打ちになって、近い将来精度を高めることにシフトする段階が来るのか、遠藤さんはそこのところをどう見ているのかなと。
遠藤:うーん、まだ全然先ですね。
堀川:全然先ですか?
遠藤:ええ。
堀川:この先もまだまだオッケー?
遠藤:そうですね、あと10年以上まだ。それは裏を返せばコンピューターの進化が止まらないのといっしょで、3Dの進化も止まらないんですよ。3Dって云うのはいつも情報戦で、新しいものに興味のある人間の集団なので、そこらへんがたぶんアニメーターのかたとは違う感性を持っている領域なんですよね。いつも新しい情報を掴んで挑戦すると云うことに貪欲なんですよ。だから自己完結して留まると云うことは無いんですよね。
堀川:なるほど。
遠藤:たぶんそこが根本的な3Dと作画のかたのアプローチの違いだと思うんですよ。
堀川:でも、その貪欲さで言えば、食えなくても大変なカットをやって目立つことが喜びで描いていたアニメーターが大勢いたころがあったと思うんですよね。
遠藤:ええ。
堀川:ただ、今はアニメーターに話をきいてみると、技術的追求の新しいスタイルが出てこなくて精度を高めている段階。3Dはピクサーの作品でも毎回課題を決めて取り組んでいるように、挑戦する領域がいっぱいあるからどんどん新しい表現が開拓されて伸びている段階。だから3Dスタッフは前へ前へって貪欲で、全然表現の頭打ちのようなものは感じていないんですね?
遠藤:全然ですね。

   
   
Copyright (C) 2004 PA works Corporation. All Rights Reserved