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  No.05 「4年前には分かっていたこと」

堀川:フル3D のゲームを見ても、リアルなモーションの表現はかなり進歩したと思うんですけれども、もっと2Dに敵わなかったというか、それがソフトの問題なのか技術の問題なのかすら実は僕には判らないんですが、日本のアニメーション特有のカリカチュアライズされた視覚的な効果とモーションタイミングって云うのはもうできるようになっているんですか?
遠藤:いや、まだそれは挑戦課題の一個です。
堀川:それが多分3Dアニメーションでは一番最後の課題に残されますよね?
遠藤:多分残される部分。それは当初から持っている挑戦課題の一つ。もう一つは背景3Dって云うのがあります。
堀川:でもそれは、僕は3Dに軍配があがった気がするんですよね、量産アニメーションでは。あとはどう効率化するかは時間が解決してくれると思うんですよ。そんなにかからないんじゃないですか?
遠藤:いやーっ、そうとも言えないですよ。
堀川:もちろん湯浅さんのパースを3D背景でって云うのは無理と云うか、あそこまでいくとアートなので。
遠藤:そうですね(笑)
堀川:見せたいもの、演出意図を優先した画面構成を仕込む為の破綻の無い正確なパースの3Dレイアウトを出力したことは、今回ものすごく威力を発揮したじゃないですか? そこまではもう出来ていると思うんですよ。ただ、今回の3Dレイアウトのガイド出力って云うのは、3Dチームとして挑戦しようとしていることと云うよりは、もっと制作現場の生産効率を上げる、作画レイアウトの戦力を補うためのニッチな要望で、たぶんそこは3Dスタッフが追求したいと云うものでは無いだろうなと思うんです。3Dセクションがこれをやることで、もし現場の効率化の役に立つのならどうぞ、と云うようなものですよね。そこから、演出やアニメーターの要望に応えられるような視覚的快感を優先した嘘パースを容易に作成できる方向に行けるものなんですか?
遠藤:行くと思います。
堀川:あ、行けるものなんですか。
遠藤:ええ。それは多分個人の能力も含まれてのことですね。
堀川:そうですね。それを適用するのはもうオペレーターでは駄目ですもんね。レイアウターじゃないと。
遠藤:そうですね。(今後)3Dでレイアウトを切ると云うことはもう『海堂丸』の段階で分かっていた部分です。そこまでは分かっていた。背景のモデリングさえ準備しておけば、演出や監督が望むレイアウトを作打ちの前までに見られると云うことは、もう4年前には分かっていたことなんです。それに対しては僕ももうノータッチだったんですよ。これは今後どうなっていくか結論が出ていたことなので。あとは如何に嘘のパースを作れるかって云うのが課題になってくるんですね。そうするには、もうI.Gの作画のかたの上手いレイアウトを見て経験値を上げるしかないんですよね、まずは。
堀川:それでできるんですか?
遠藤:それって結構時間がかかる。
堀川:技術的には可能なんですか?
遠藤:可能ですね。
堀川:モデリングをパーツでバラして歪ませて組み立て直すってことですか?
遠藤:そうですね。そのバラし方をどうするかって云うのはノウハウの蓄積でしかないので。
堀川:それにスマートなやり方と、そうじゃないやり方があると云うことですね? じゃあソフトは今のもので、経験値とセンスって云うことなんですね?
遠藤:そうですね。

   
   
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