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  No.06 「1人採ろうが、いっぱい採ろうが」

堀川:育成で一番大事なのは、ある程度同期の数がいることだと分かったんです。新人を6人採用してみて。何も言わなくてもクリエーターは競いあって伸びていく。1つのスタジオに、1人、2人ではなく、同期の数がいる環境は大切だなと分かったんですよね。
後藤:育て方にもよるとは思うんだけど、17年くらいやってきて今思うのは、1人採ろうがいっぱい採ろうが、人によったり、その時の会社の状態によったりで、育つ環境によっても全然ちがってくるのね。5人採って5人辞めたこともあるし、1人採って1人残ったこともある。それが全部上手くなったかって言うと、そうでも無い。I.G見てもわかると思うけど、すごくいっぱい育っているかって言ったら、そうでもないでしょ? もう十何年もやっているのに、作監がゴロゴロしているかって言ったら。ちゃんと育っていれば、社内のアニメーターが、もう100人くらいにはなっていると思うんだよね。
結局はコレって云う育て方は存在しないような気がするのね。でも、自分はさっき言ったようなことを信じながらやっていくしかない。黄瀬氏は黄瀬氏の考える育て方があるだろうし、俺は俺の育て方がある。自分はこれがいいと信じる方法でやっていくしかないよね。もちろん周りを見ながら、自分たちも失敗しながら。これは上手くいかなかったから今度はこうしようとか、他のところがこう云う方法での成功しているから取り入れようとか、試行錯誤を続けながらやっているとは思うけど。
堀川:I.Gがかつて新人が育ち辛い環境だったのは、劇場やビデオ作品を中心に転がしていたって云うのはあると思うんですよね。
後藤:でも、テレビシリーズはやっていたよ。「エスパー魔実」やったり「クレヨンしんちゃん」やったり。最初はね、もちろん採用試験はしたんだけど、採用するレベルは今とは全然違ったかな。それでも入れて一生懸命教えれば、全然描けなくても何とかなるだとうと思っていた。自分がそうだったから。でも、やっぱり制作していたのはクオリティーの高いビデオ作品が多かったって云うのもあるだろろうし、本当に描けないヤツが上手くなるかって言うと、これが難しい。なかなか育たない。残れるかどうかは、これは本当に何年やっても分からないんだ(笑)。
それで、俺と黄瀬氏で育ててきた人材が、今はある程度育ってきたから、彼らが次の世代を自分たちの感覚で育ててもらってもそれは構わないと思っているの。自分たちが成長して、これが正しいと思ったことを次に継承してくれればいい。I.Gで育った彼らがね、I.Gではこうやって行けば上手くなるんじゃないかなって云う方法を教えていけばいいのかな。

   
   
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