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  No.09 「dilemma」

後藤:設立したころからI.Gの作品路線は自分の路線じゃなかったんだ。昔はその苦しみとか不満がずっとあって、「赤い光弾ジリオン」をやっているころはよかったけど、劇場作品の大変なのが入ってくると、自分を生かせる場所が無かった。そう云うジレンマは当然あった。だから出向したり、他のTVシリーズをやった。一方では上手い人が集まって劇場作品作っている、こちらは地道にTVシリーズの原画をやりながら新人を育てる。いかにその、今いる人たちを少しでも育てて、全員沖浦君(*1)とか黄瀬氏になれるなんて無理な話だけど、俺くらいには絶対になれるから、そういうスタンス。俺はもともと何も、絵も描けなかった人間だから、俺くらいには絶対なれると思って育ててきた。これからも多分そうすると思ってはいるんだけど、それでも自分の夢があるから。まだまだ野望もあるし夢もある。会社も大きくなったんだから、俺の作品が1個くらい売れなくても、もう傾かないだろうと(笑)。
堀川:(笑)
後藤:売れなくてもいいような自分なりの作品をね、そろそろ作らせてくれよってずっと言ってて、
堀川:これからは株主の方を向いて作品をつくらなきゃいけないから、今まで以上にそれはできなくなっちゃう(笑)
後藤:(笑)本当に。
堀川:でも、20年以上やっている今も第一線で、夢も野望もあるって云うのは、それだけ何でもこなしてきた基礎体力があるからでしょうね。
後藤:それもあるかもしれないけど、まだ自分のやりたいものはやれていないっていう(笑)
堀川:石川さんが、やりたいものをやらせるとクリエーターとしての寿命を縮めるってどこかで語っていましたね。ずっとやらせないのはそういうことなのか!
後藤:はっはっはっはっは。多分それは俺をよく知っているのかも知れない。まぁ、そこらへんが石川の人を使うのが上手いところなのかも知れないけれど、自分は与えられればそれはそれで楽しんでやっているよ。

*1:沖浦啓之 3スタ在籍「イノセンス」キャラクターデザイン・作画監督・「人狼」監督

   
   
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