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  No.13 「歯車は回りだす」

後藤:みんな言うの。俺もそうだと思うんだけど、育つやつは育つし、育たないやつは育たないってみんなよく言う。本当にその通りではあるんだよ。だれが上手くなるのか、潰れちゃうのか全然わからない。それで、ちょっとしたことでグーンと伸びるでしょ? 攻殻やったことでグーンと伸びたり、ツバサやったことでグーンと伸びることがある。それを期待してるんだけど、みんながみんなね、そうなると思ってはいないよ。9人のうち本当に上手くなるのは、もしかしたら0かもしれない。来年入って18人になったときにやっと1人出るのかもしれない。
それでも、その18人をある程度一人前にしなくちゃいけない。テレビシリーズしかできないっていう人も俺はいると思う。メカものが描けない人間も中には絶対いると思う。でも一人前にするためには、レベルはそこそこでも描かせたらすごい量は上げるとか、多少描く絵は淡白でも、ある程度数をこなす。作監で淡白なところをちょっと修正してやれば、テレビシリーズとしては充分通用する、とか、その人を活かせる道を探して、いろんな歯車をどう組み合わせていくかが制作の仕事だったり、プロデューサーの仕事だと思う。
1スタで俺が作監の回であれば、原画の割り振りを決めるときに、相手をちゃんと見て、どう云う内容で上げるのか、どう云うスピードで描くのかを全部知っているから、俺が大体振り分けもする。あとは、個人の意見も聞いて、本当はこう云うところがやりたいって聞いたら、やってみろよって渡してやる。上手い人にはちょっと大変なところをやってもらう。新人は新人に合ったところをやらせる。そうやって、うまくパズルのように組み合わせられると、初めて歯車がかみ合って回っていく。みんな活かせるんだよ。それが今の1スタ。今まで育ててきた人材をどう作品に合わせていくかって云う課題は、本当にいつも思うこと。
堀川:シリーズ1ラインを綺麗に回そうと思ったら、そう云う戦力も絶対必要です。今度採用したのが13人なんですけど、原画になれるのは6割かもしれないと思っているんです。スターが出るかはその人の資質によるところが大きいので、本当に分からないんですけど、食えるようにはなるだろうって云うのが僕の採用基準。とにかく採用試験では作品をいっぱい送ってくれと。普段どれくらい絵が好きで、どれくらいの物量を描いているかを見るんですよ。ある程度の上手さは必要ですが、その馬力があれば食えるようにはなるだろうと云う人を採用するんです。
後藤:それはあるよね。

   
   
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