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  No.10「日本のアニメのお終い」

堀川:今後はね、ますます3D出力のレイアウトが増えてくると思うんだけど。
古川:メカを3Dにしたことは大きいですよ、本当。描けないですよ、タチコマなんか手描きで。
堀川:動かせないしね。
古川:(3Dのモーション)あれを見ちゃうと。
堀川:うん、今後どんどん3Dが手描きアニメーターの領域を侵食するじゃない?
古川:そうするとやっぱり、メカがこんなに描けなくなるみたいに・・・
堀川:レイアウトが描けなくなっちゃう?
古川:描けなくなるのかなぁ・・・でも、3Dでパースに関してはとりあえず理屈上は正しいものが出力されてくるから、もしかしたら、そこから理屈では正しいパースを目で覚えていくようになるかもしれない。手描きでいくら描いても、立体をどう見て、それを額縁の中に入れるかって云うのはなかなか身に付かなかったりするものだから。3Dでやるって云うのもいいこと。その場合は3Dで出力するときも、本当に慎重にポイントを選んで出力しないと、イマイチ意図が解らないものになりがちだから、そこですよね。3Dもある程度絵を描くくらいの感覚で出力しないと難しいなぁと。
堀川:うん、構図を決めるのは単にオペレーターじゃだめだって云うこと。
古川:イマイチよく解らないものがあったから。ソフトを自由自在に操れるものなら自分でやってみたいとも思ったけど(笑)
堀川:そう云う人は出てくるよね。例えばタブレットを使ってPC上で原画を描くようになったら、3Dの背景データを取り込んでレイアウトを切りたいって云う要望は出てくると思うよ、すぐ。そう云う流れに対しての危機感はないんだ? 逆に3Dでこう云うことがもっとできればいいのに、とか。
古川:うーん、完全に今は分業制だから、正直言えば出力するときに立ち会いたかったなと云うのがある。それと、メカの3Dもそうだけど、手描きにさえしちゃえば全部なじむと思うんですよね、3Dだろうが何だろうが。キャラまで全部3Dにしちゃうと3Dアニメになっちゃうけど、例えばメカを全部3Dで出力しても、手描きにすれば普通の手描きアニメに見えちゃうから不思議というか。
堀川:でも・・・それは制作側の体裁だけの不毛な作業じゃないかな。
古川:手描きじゃなくなっていくと日本のアニメはもしかしたらお終いなのかと。
堀川:今TVシリーズでもレイアウト期間ですごく時間をとられちゃって原画スケジュールを圧迫しているの。さっきの古川君の話、TVシリーズでは作監もレイアウトと原画、両方の修正を担うのはしんどい。背景スケジュールも確保できない。レイアウトの負担を軽くして作画と背景スケジュールを確保して、そのぶん動かすって云う方向に向かえば、まだ日本の手描きアニメーションも存続できるかなと思うんだけどね。
古川:3Dでレイアウトを切れる専門家が育てばいいのか。そういう職種が将来出てくるのか。
堀川:それこそ求めるもの?
古川:やりたいけど、いや、手で描くのがもちろん好きだから。
堀川:その下敷きが効率よく作れたらね。
古川:いいですけどね。そう思うことはありますけどね。

   
   
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