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  No.04「玄関先でチョチョッと」

堀川:河野さんは自分がアニメーターだった時に、どんな演出と仕事をしたいと思っていましたか?
河野:そうですねぇ、俺は自分で何かものを作っているときに、どうしても自分で見えない部分ってありますよね? 例えば、ここをこうすればもっとよくなるのに、とか、そう云うところを見抜いて指摘してくれる演出さんと仕事がしたいですね。俺自身も、人にもよりますけどね、例えば、この人はすごくまだ駆け出しのようだけれど意欲を持って取り組んでいるなって云うような人がいたら、こう云うところをこうしたらこうなりますよってアドバイスはしたいですね。そうすると、その人はグンと伸びたりして、ああやっぱりよかったと思う。そう云うことを何回か繰り返すうちに目に見えて上手くなってくる人もいるんですね。そうするとこちらもやっぱり嬉しいし、それで、また河野さんとやりたいですって言ってくれる人も何人か出てきたんですね。人によっては演出指示を、「うーん、何書いとるねんこいつ」って思われるかもしれないですけれども、その人がちょっと行き詰っている部分があったら、じゃあここはこうしたらいいんじゃないですか、とかそう云う示唆をできたらなと思っていますね。

堀川:今回の攻殻SSSではスタッフとのコミュニケーションを積極的にとっていきたいと云う話を決起集会で河野さんがされて
河野:はい。
堀川:特に演出と同じスタッフルームで作業をしていないスタッフとのコンセンサスをどうとって行けばいいだろうって云うことを僕もずっと考えていて、9スタは比較的出来ているんですけれども、それでも原画マンのほとんどが外で作業をしているじゃないですか? 作画の打ち合わせ後はメモ書きでのやりとりでしかなかったりとか。
河野:ええ。
堀川:いろんな原画マンの話を聞いてみると、特に若い頃は演出や監督からのリアクションが非常に刺激になったと。上げたものに対する適正なリアクションが非常にやる気に繋がったって言う話を聞いたので、じゃあ、今後面と向かってコミュニケーションを取りづらい現場環境で、どう云う対話の方法があるだろうと考えているんです。それに対して河野さんが今回目標とされたことで、何かアプローチをしている、こう云うことをやってみようかなって考えられたことはありますか?
河野:そうですねぇ、決起集会の時のね、『みんなと話をしたい』ってやつなんですけれども、俺はいつも仕事をするときは何かテーマを決めてそれに向かってやるっているんです。今回の攻殻ではテーマを2つ決めて、その内の1つが『みんなと話をしたい』、つまりみんなで作る。あれは自分自身に対する意識をそう持てよって云う意味でのことだったんですけれども、今堀川さんに言われて、具体的にじゃあどう云う対策がとれているのかとなると、やっぱり未だ成功には程遠いかなって云う気がしています。ただ、自分の意識としては、そう心がけているところがあって、今まではものすごい情報量を捌かなきゃいけないと云うことがあったり、攻殻をやりはじめたころにちょうど生活環境が変わったりって云うこともあって、とにかくもう自分の持っている処理能力をフルまで使い切って一杯一杯だったんですよね。だから何かスタッフとの間でやりとりするにしても、自分の心構えに全然余裕が無かった。何でしょうね、「いや、ちょっとすみません、一杯一杯なんで」(笑)、玄関先でチョチョッと、「ハイ、これでお願いします」みたいな感じだった。

   
   
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