Stance Stance Stance
 
  No.07「1回限りの人」

河野:今の演出と作画の関係って、例えば攻殻TVシリーズ52話の中で5回6回一緒に仕事をしたアニメーターってあんまりいないんですよね、わりと1回きりで。「あ、以前一度ご一緒しましたね」って言ったらそれが1話だったりとか。若い人で意欲に燃えている人は、また是非と云うように思ってもらえるんですけれども、コンスタントに一緒に仕事をしていなくて1回限りで、「じゃあまた何か機会がありましたら宜しく」だと、あんまりそういう気持ちが、何かね。例えば、ここをこうしてみたらどうでしょう、みたいなリテークを同じように出しても、次にまたやりたいと思う人はそれでいいですけど、1回限りではその辺がなかなか。継続して神山さんと各スタッフのような関係を築けるといいですけどね。
堀川:攻殻TVシリーズでコンスタントに参加してくれるアニメーターを確保するのは非常に難しかった部分でしたね。I.Gでは社内班がずっとローテーションで原画をやってくれていましたよね。
9スタのスタッフと監督はいつも同じ環境で仕事をしていますけど、多くのアニメーターと演出はそう云う環境に無いところが非常に大きいのかなぁ。アールの吉田徹さんはどうだったかなんですけど、P.A.でも作画チームを組んでその中に一人演出がいれば、直しもフットワーク軽く納得させられるって云うかね、人に語るのが仕事のようなところも演出にはあるから。リテークを文字で伝えるのはすごくドライな感じがするじゃないですか。
河野:うーん、そうですね。
堀川:そう云う関係がスタッフと築けるのはその環境次第、その環境がそうしているって云うところがあるのかな。
河野:俺自身は制作出身ではないから、顔見知りのアニメーターがいっぱいいるわけでもないので、そのへんの関係構築は今後の課題といえば課題ですね。
堀川:僕は演出にとって理想の環境を作りたいって云うのがあるので、やっぱり、橘君にもそう云う話をしたんですけど、まず1本の作品に集中できる原画チームを作ってから、そこに演出を呼ぶ、それが演出にとって理想の現場じゃないかな。演出もやる気があって、アニメーターがまだ新人で稚拙な原画しか描けないとしても育ててやろう、そう云う考えの持ち主だったら、お互いに刺激しあって成長していくと思うんですよね。打てば響くような原画マンだったら、どんどん成長していってくれるのを見れば、それは演出にとっても非常に嬉しいと思うんですよね。今はそういう現場が作れないことが、アニメーターが上げたモノに対して、演出からリアクションを取りづらくしているのかな。作品に巻き込んでいけないのもそう云うところではないかと思うんですよね。

   
   
Copyright (C) 2004 PA works Corporation. All Rights Reserved