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  No.01 「久しぶりのTV」

堀川:中村さんが決起集会で云われた2つのことが印象的だったんですが、1つは「この作品(攻殻SSS)が最後のつもりで頑張ります」
中村:ええ(笑)
堀川:みんなざわめいた(笑)。もうひとつは、「S.A.Cが自分の経験の中でもかなりステップアップになるような作品だと思ってやってきました」って云う話をされて。
中村:そうですね。
堀川:まず、そのことが非常に興味深かったんです。それはどんなところでしょうか?
中村:そうですね、単純にそれまで本当に長い間TVシリーズをやっていなかったんですよ。攻殻S.A.Cの前は「スチームボーイ」を3年くらいやったかな。その前は「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のゲームで、その前は「バンパイアハンターD」をやっていた。その前も多分TVシリーズは暫くやっていないんですよ。
シリーズの良さは、作画で仕掛けたことが上手くいかなかったとしても、次に同じような失敗を繰り返さないように、今度はこう云うニュアンスで直してみようとか、ああじゃない、こうじゃないって、実践の繰り返しの中で自分のズレを軌道修正していけるところです。ずいぶん昔はそう云うことをやっていたんですけど、ここに来てTVシリーズ攻殻S.A.Cで本当に久しぶりにそれが出来たって云うことがとても良かった。
堀川:TVは結果がすぐ見られますもんね。仕掛けたことがすぐ確認できる。
中村:そうなんですよね。見た人の反応も結構ストレートに割りと早く返ってくる。
堀川:中村さんの反応はネットでも非常によかったでしょう?
中村:いやいや、そうでもないですよ。一番最初にやった18話のときは、「スチームボーイ」のケツと少し被っていたんですよね。しかもすごく時間がなくて、「これを1日何カットチェックして下さい」ってレイアウトの塊が積まれて。
堀川:TVシリーズらしい(笑)
中村:それを出し切ったら、今度は原画全カットをオカモチで持ってこられて(笑)
堀川:えっ!? そんなに一度には原画は上がらないですよね?どこかに貯めていたのかな。
中村:とにかく上げることに徹したんですけど、あれはえらくしんどかったな・・・心残りがあった。だから次はもうちょっと絵的な部分で、自分のやりたいことを出せればいいなと思って23話をやったんですよ。
堀川:評判良かったですね。
中村:そうですね。僕もかなり気合が入っていたんですけど、演出の松本淳さんもテンションの高い方だったので、いろんな意味で松本さんと関わった仕事はかなり面白かったですね。
堀川:シナリオを読んだときには、もっと淡々としたフィルムをイメージしていたんですけど、あれは職人演出がニヤリとする話数ですよね。面白かったですよ。
中村:ええ。かなりセリフが長い・・・ちょっと心配になりましたね。
堀川:(笑)
中村:あれだけ長回しで喋っちゃうと、アニメーションとしてどうなんだろうと思ったんです。でも、間とか繋ぎが計算しつくされていて上手いんですよね。

   
   
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