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  No.04 「3Dレイアウトの呪縛」

堀川:現在コンテが上がったのが全体の6割で、これからもっと原画マンに声を掛けていくんですけど、中村さんから原画マンに、「こう云う面白味があるからいっしょにやろうよ」、と言えるとしたらどんなところですか?
中村:そうですね、作品を作ったって云う満足感は、他のアニメーションでは得られないものがあると思うんですよね。絵だけ描いたぞって云うのはいくらでもありそうな気がするけど、後で客観的に見てもお話として、アニメーションのフィルムとして見て満足できるものが上がることは間違い無いと思いますけど。
堀川:作品を面白くするために貢献する。
中村:そうですね。
堀川:僕もね、最近アニメーターのモチベーションにそれを訴えられないかと考えているんですが、どこか綺麗ごとを言っているようで・・・、やっぱりアニメーターはもっとアニメートの部分の快感が必要なのかと、理屈抜きで描いていて楽しくなければと云うね。
中村:絵的に動かすことで?
堀川:お話として、作品として面白いのは完成した後の楽しみで、日々描いている作業の中に絵描きの本能を揺さぶる部分がないと、モチベーションは保てないのかなぁと思っているんですよね。
中村:どうなんですかね、ちょっとアレなんですけど、今回の3Dレイアウトシステムの導入は、レイアウトを描きたい人にとっては作画の面白味が半減しちゃうんじゃないかと思うんですよ。
堀川:そうですか!?
中村:僕はやっぱりレイアウトが自分で描けないっていう、描けないわけじゃないんですけど、3D出力されたレイアウトが入ってくると、それをどれくらい修正できるか、その拘束力がどれくらいのものなのか、作画的な面白味の半分が持っていかれたみたいな気が(笑)。
堀川:そういう世代がね、もう少数派になっちゃったんです。
中村:ああ、そうなんですか。
堀川:レイアウトに時間を割かずに、動かすことに力を入れたい人の方が圧倒的に多いと思います。
中村:ええええっっ!でも画面を作るのであれば、やっぱりレイアウトが一番楽しいと思うんですけどね(笑)
堀川:マイノリティーだと思いますよ(笑)。
中村:楽しいとおもいますけどねぇ・・・
堀川:TVシリーズで中村さんが作監された話数はどうだったか分からないですけど、あのスケジュールで作画監督が構図まで直しきれないんですよ。その負荷が演出にかかっていたんです。今、ほとんどのTVシリーズは、演出がレイアウトを直して、作監が絵をのせるって云う役割分担になっちゃった。作画監督が動きまで直すことだってままにならない。1日のノルマとの戦いになったときに、直しきれずに破綻したものを泣く泣く流すようなことはしたくないんです。クオリティーにこだわるのなら、演出が納得したものでありたい。僕はそのリスクヘッジの最善策だと思っています。もちろん、今回は出力したものをそのまま使用するとうと云う話にはなっていないと思いますけど。古川君も相当修正していますよね、演出意図に合わせて。
中村:いや、古川(尚哉)さんの直している意図は分かりやすいんですよ。やっぱり僕がやっている原画パートでも結構修正を入れられているので、「やっぱりこうだよなぁ(笑)」って云う部分が多いんです。どうなんだろう、多分原画マンにとっては、3D出力されたものにかなり拘束力されると思うんですよ。まだ慣れていないと云うか、そのシステムであまり描いていない人にとっては。3Dで出力されたものはパースとしては間違ってはいない訳ですから。ただ、自分がどう云う見せ方をしたいとか、ここの画面では何を見せたいのか、その意図を持って見ているって云うことを考えないと、とりあえず何かちゃんと納まっているから、この(出力された)線をトレスすればいいやって(笑)、描いてきちゃっている人もいるんじゃないかなと。
堀川:どうなんでしょうね、僕は演出が出力されたモノをチェックしているから、見せたいものの演出意図はクリアされていると思っているんですが・・・。関口(可奈味)さんも、そこは「どこまで手描きで対応できるんだろう」って話をしていましたね。その疑問と不安にはすぐ対処する必要がありそうですね。関係スタッフを集めてコンセンサスを取りましょうか。

   
   
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