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  No.02 「黄瀬さんの重い一言」

堀川:後藤さんは今回関口さんが作監についたことでとても助かると思うんですよ。
関口:でも、I.Gにいたときには、後藤さんとも黄瀬さんとも原画で関わったことはほとんど無かったんです。そのころI.GはTVシリーズを制作していなくて、レベルが要求される劇場やOVAが中心だったので、新人原画マンにはやらせてもらえなかったんです。それでジーベックの作品をいっぱいやっていたんですよ。
堀川:2スタでは、黄瀬さんってどう云うことを教えてくれるの?
関口:黄瀬さんですか(笑)?えーっと・・・
堀川:俺の背中を見て学べと。
関口:いや、チョロッとたまに一言、重い一言を。
堀川:重い一言を。
関口:ええ。縦パンする長いカットを描いていたんです。広い空間なんですよ。その時にこうやってパース線を引いていたら、「こう云う風にPANするときは、ここはこうやって部分的に歪ませると広く見えるよ」って、ひとこと言ってサーッと。『あれっ?』って。『今、天から声が!』。「あ、そうですか、ありがとうございます!」って、啓示の通りに曲げたら、『ああ、本当かもしれない、すごいなぁて』(笑)。
堀川:ほぉ・・・。
関口:一言なんです。あ、エスカフローネはちょっと見てもらっていたかもしれないですけど、基本的には言ってくれない。直すときも「お願いします」って持って行くと、ガーっと直して「ホイッ」って。コレを見て自分なりに解釈しろって云うことだと思います。
堀川:そう言えば、I.Gのスタジオ紹介で黄瀬さんが、俺は教え方が下手なんだ。自分の解答を理屈で説明できないって書いていましたね。みんなI.Gを出て3年後に解るみたいだって。
関口:うん、そんな世界ですね。言葉にしないと分からないような段階では駄目なのかもしれないです。そこまで行っていない、悟れない段階でそれをされちゃうと、潰れちゃうんですよね。もう何描いても否定される、何が悪いかも言ってくれない、解らないって潰れて終わっちゃうかもしれないですよね。「俺が教えるとみんな辞めていく」って黄瀬さんがこぼしていたことがありました(笑)。
ただ、私は理屈で言われるよりも見たもので、『あっ、これカッコイイな』って思ったら、絵を取って置いたりコピーして置いて、自分が似たような原画をやるときにそれを出してきて、『うーん、ここでこう云う風に使おう』って云うやり方だったので、黄瀬さんの教え方は、私の‘教わり方?’には合っていたのかもしれないです。ちゃんと教わったのは石井明治(*1)さんなんですけどね。でも、原画って基本的には誰かが教えてくれるものじゃなくて、描いているうちに気づくものだと思うんです。
堀川:採用面接でそれを見抜かれていたと。
関口:どうなんでしょうね(笑)。

*1:石井明治(あきはる)作画監督・キャラクターデザイン 現在は第3スタジオ在籍

   
   
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