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  No.10 「基本ですよね、裸ははは」

堀川:P.A.本社で毎日クロッキーをやって黒板に貼り出しているんです。それでね、クロッキーの講師を呼ぼうかってみんなに提案したんですよ。
関口:先生ですか?
堀川:そう。クロッキー教室があるじゃない? その話をしたときにみんなの反応が鈍かったんだよね。何でだろう、せっかくなのにと思ったの。それで、みんなといっしょにクロッキー描いてみたの、俺が。描けないよ、描けないけど。
関口:はい(笑)
堀川:それで解った。みんなモデルを見て、こう云うものを描きたいと云うイメージはあるんだけど、それが形にならないことに苦しんでいるんだ。たぶん、それは教えてもらうもんじゃないよね。それが形にできるように訓練するものなんだね。
関口:そうですね。
堀川:見たものを描くだけなのにイメージ通りに描けない。やるべきことはもう分かっているから、あんな反応だったんだなって。俺も描いてみて面白かったから、Amazonでクロッキーの本を買ったの。クリムトとか、エゴン・シーレとか、ミューシャ(*1)のドローイング集が洋書で安く買える。それ見て『俺、今日はエゴン・シーレ風で』って(笑)。無茶苦茶ダイナミックでカッコイイんだ、これが。若い子に「松本大洋、絶対エゴンシーレの影響受けてるよな?」って聞いたら「指がゴツゴツしているだけじゃないですか」って。そりゃそうかも知れねぇけどさぁ。
関口:(笑)
堀川:それでね、筋肉がしっかり描かれている、『俺、じゃあ今日はミケランジェロで』って、男の子がモデルだったんだけど、筋肉の付き方を想像して描いてみたの。腿の筋肉って外側から内側にねじれてたような気がするけど、どうだったっけって。当然描いたものは想像で、ヌードになるんだけど、それを黒板に貼ったら大変だった。二十歳の女の子が叫んだんだ。「セクハラです! 何てことするんですか!」って。
関口:(笑)
堀川:「やられた方の身にもなってください!」、「いや、待て待て、俺はただ筋肉がどう付いているかなって想像で・・・」、「自分がやられたらどんな気がするんですか!! 嫌な気持ちになるでしょう!!!」、『いや・・・それほど』って。
関口:はははははは・・・でも、基本ですよね、裸ははは。
堀川:俺もそう思ったのに。クロッキーの先生は呼ばなくても、ヌードモデルは描かせてやりたいと思ったけど、俺の人生の半分しか生きていない娘に罵倒されるのはもう御免だよね。

*1 Gustav Klimt One Hundred Drawings \1,367
Schiele Drawings 44 Works \863
Drawings of Mucha:70 Works \1,224

   
   
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