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  No.01「一番大変なのはレイアウトの描き直し」

堀川:このインタビューの目的は橘君の紹介が1つ。それから「神山監督語録」からピックアップした演出に関わることを中心に演出に話を聞いてみたかった。それをポテンシャルの高い現場を作るときに演出ポジションをどう考えていけばいいのか、演出にとって理想の現場環境ってどう云うものかを考える参考にさせてもらいたい。それともう1つ、橘君自身が攻殻SSSに参加した目的、スタンスをもう一度考えるきっかけにしてもらえればと思います。

そもそも演出業務がどんなものなのか理解されていないという発言があって、僕も取材を受けてアニメーションの制作工程を説明するときにフローチャートを渡すんだけど、フローチャートには「監督」とか「演出」セクションは書かれていないのね、それで「演出は何をする人ですか?」って聞かれる。今日は橘君のADパートを担当する新人制作本多君が、演出業務について理解を深めるものになればとも思います。ではまず、

「演出の仕事はキャパオーバー」(神山監督語録No.53)

アニメーション業界の演出業務の現状から。橘君の演出経験は6年くらい?
橘:そうですね、24歳くらいからだから6年くらいですね。
堀川:30になったんだっけ?
橘:なりましたね。23歳の9月にBeeTrainで堀川さんと話をしたと思うんですよ。翌年の2月で24だから。
堀川:セルはあまり経験していない?
橘:東映で演出助手をやっていたころからBeeTrainの作品の演出までがセルだったから。
堀川:じゃあ、セルとデジタルの経験は半々くらいかな。今どう云う部分で演出業務は大変なのかな? 雑感でいいので。
橘:そうですね、こちらで作画を修正する部分が非常に多いと云うのがありますね。レイアウトのチェック段階では仕込みが多くなるので演出の作業量は増えていますね。結局レイアウトの段階で画面を作り込むために、演出が絵を描いているって云うのが一番大きいんじゃないのかなと思いますね。だから逆に僕は絵を描かない演出がどう云う処理をしているのか全く分からないんです。作監さんにお願いしているとは思うんですが。
堀川:レイアウトは演出チェックの段階で、違うなと思ったらどんどん描き直しちゃう方なのね。
橘:上から部分的に修正乗せたり全部描き直して「こちらのレイアウトでお願いします」って云う修正でやっていますね。
堀川:その描き直す負荷が非常に大きいと。
橘:攻殻スペシャルのレイアウトは3Dでガイドラインを出力したので、一から描き直す作業が無かった分かなりスムーズに行きました。あと、キャラクターの芝居設計の部分でも描いて指示しますね。やっぱり一番大変なのはレイアウトの描き直しですね。

   
   
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