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No.13「群れに帰属している意味」

田中:どうしても、フリーになってどんどんその‘群れ’から逃げていく、その言い方が正しいのかどうか分からないですけれど、そう云う傾向が強いですよね。
堀川:それは、そこに留まることによって得るものが少ないからだと思うんですよね。今気付いたけど(笑)。
田中:留まることによって得るものがある?
堀川:たぶん、フリーでやったにせよ、自律的にものづくりに参加することによって、個人主義で好きにやることよりも、得るものがあれば、そちらを目指す人も増えると思うんですよね。自分を律してやっているけれど得るものが無かったのでは、みんなそちらに行こうともしないものね。それが収入なのか達成感なのか、人それぞれですけれど、それを体験させてやることですよ。会社が組織的に取り組むことによって示してやれるかどうか。P.A.が本社に制作を置かずに作画の自己管理を徹底する、作画のデジタル化を目指す、先輩達が毎年10人程度採用する新人の面倒を見る。チームを意識した組織作り目指しているけれど、全て5年後、10年後に今より良くなることを目指してやっていることなんですね。その方針に対して、目の前の自分の個人的欲求が全て、と云う価値観だと当然不満は出る。けれど、そこは僕も譲らない。
田中:そうですね、たぶん入ってきたばかりでは何もわからないので、頭ごなしでいいと思うんですよ。
堀川:うん。会社に入ったときから自己管理、シミュレーション、日報を習慣づければ、そう云うものだと受け入れている、それがまちがった方向には行っていないと思うのでね。
田中:全然いいと思います。やっぱりある程度管理してあげることがいいと思うんですよ。管理できないんですよね、自分で。それが身にしみたときに、自己管理しようとしたときに初めてありがたさが解るんですね。羨ましい話ですよ、本当(笑)。
堀川:以前I.G新潟の小村方(宏治)さんが本社に来てくれて、しっかりしていると云う話をしてくれたんだけれども、みんな比較対象が無いので(笑)。
田中:解らないでしょう?
堀川:そこは語ってもしょうがないかな。将来わかることでね。
田中:それが出来ない人間は先々うまくやっていけないと思うので、いずれ必要になるものを最初の段階から教えてもらっているわけですからね。
堀川:フリーになってからも、ずっと継続して自分を管理できる人は本当に限られている。人間ってそういうものだと思うんです(笑)。でも、気づいたときに、自分は過去にはこの方法で自己管理が出来ていたんだってうのは自信にもなりますからね。
田中:嫌なものはオミットして、楽な方、好きなモノに流れていくと、出来るものが減っていく気がするんですよね。そうすると、歳をとって自分の得意だったものすら苦痛になったときに、それでもそれをやって食っていかなければいけないときの葛藤ってどうなんだろうって。そう云う意味でも群れに帰属している意味はあると思うんですよ。群れに帰属することで役割が出てくるので、そういう荷物も背負い込むことでモチベーションも維持していけると思うんですよ。
堀川:でも、やっぱり若さと、爆発したいっていう押さえようのないエネルギーもあるだろうから、一回群れを出てまた戻ってくるんですよね、戻れれば。
田中:うん。しかし、少しも撮影の話をしていませんね(笑)。
堀川:本当だ。


   
   
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