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  No.16「そこにピンとはまる絵」

田中:あとはソフィア・コッポラの映画が好きです。やはり淡い感じや、光が散ったような感じが。
堀川:彩度を押さえるのは流行りですか?
田中:そう云う訳ではないんですが、アニメーションは彩度が高いせいだと思います。なので、キツイ彩度を押さえたいと云うのがあるんだと思います。
堀川:最近のコマーシャルフィルムを見てもポスターを見ても、みんな彩度を抑えているんでね、これは流行りなんだろうなと思っているんですが。
田中:彩度を抜く目的があればいいんですけれど、流行だから抜くとコントロールが効いていないと思うんですよ。色を抜けばいいってものでは無いので、そこは抜き過ぎないように注意したいなと思っていますね。自分も攻殻で気をつけているところです。全然抜いているわけじゃないんですけれども、そこが難しいところですね。そのシーンには、ある程度残したほうがいい色があると思うんですよ。なので、一律に下げてしまってはだめですしね。そこにピンとはまる絵があると思うんですよ。それを見つけていく。元来アニメであれば、ある素材を重ねて撮りゃあ完成はずなんですけれど、そうじゃない部分があると思うんです。そこをTVシリーズのときよりももっと見極めていくことだと思うんですよ。ただ、本当に時間との勝負なので(笑)。その部分に対しては本当に水際で止めるところなんです。みんなが頑張っているものをなんとか形にしていくので精一杯ですね。攻殻はとにかく素材が多いので、1カット組むのに通常のTVシリーズの5倍以上かかります。大変なカットは1日2カットしか撮れないですね。
堀川:ウヒッ。
田中:車がいっぱいあって、パトライトがあって、ヘッドライト、テールランプ、車の映りこみ、キャラのせ・・・全部をなじませるって云うのは1日仕事なんです。集中力を持続させるのが大変ですね。そう云うカットを僕自身は持てないんですよ。撮影スタッフにニュアンスを伝えて組んでもらって、上がってきたものに対してチェックして、そこで指示を出させてもらっているんです。今の撮影部って云うのは、本当にありがたい環境を用意してもらっています。素晴らしいですね。僕の意図を汲んでくれて、僕の好みの画面にしてくれているんですよ(笑)。「BLOOD+」を何本かやっていく中で僕の好みを解ってくれたみたいです。パラの度合い、フレアー、こう云うときにはこう云う処理を足したほうがいいのかなって云うのを口頭伝えるだけで、ほぼそこに近い絵が来るので、そこにちょっと修正を指示するくらいで最終画面に持っていけるんですよ。

   
   
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