P.A.Press
2021.9.1

【P.A.オサカナ日誌】第9怪  ハリセン・ボンド

どうも、ハコフグ息子こと園部です。

「フグ」ってプクプクしてて可愛いですよね。
というわけで絵を描いてみました。

案外、うまく描けたのではないでしょうか?
と、自画自賛していると…、しまった!絵をスタジオ内で失くしてしまいました!
もし万が一、こんな絵が作品素材に紛れ込んでしまったら大変です。

この“原画式フグ爆弾”を取り除くには、彼に頼むしかありません。
緊急任務を発令します!

―――夜、閑散と静まるセイサクギョ水槽で、
人知れずパソコンに向かう一つの影がありました。


「……任務了解」

彼の名は「フグヒラ」。
『白い砂のアクアトープ』第4話を担当したセイサクギョとして普段は過ごしています。
しかし、それは仮の姿。
正体はコードネーム“004(ダブル・オー・フォー)”…、

伝説のスパイ「ハリセン・ボンド」なのです。
今宵、与えられた任務は
P-10内に隠されているという“原画式フグ爆弾”を
秘密裏に取り除くこと。

愛銃“タップ”を握りしめて、極秘の原画回収が始まります。

ハリセンボンはフグ目のオサカナ。
ですが、プクっと膨らむだけのフグとは違い、
千本の針(実は300~400本しかありませんが)のヨロイのおかげで、
ハリセンボンは海の中に天敵無し!といいます。

例え、伝説のフグ格闘家「アンディ・ふぐ」級の難敵と鉢会ったとしても、
お得意のトゲトゲで威嚇すれば、
捕食しようなんて思う生き物は誰もいません。

体に隠した無数の針は彼の第二の愛銃。
ちなみに豆知識ですが、
フグ毒と鉄砲の弾、どちらも“当たる”と死んじゃうことにかけて、
フグは昔「てっぽう」と呼ばれていたらしいです。

無敵にも思えるハリセンボン。
しかし、膨らむオサカナには一つ弱点があります。
なんと、一度膨らんでしまうと、しばらくの間は元のサイズに戻れないのです…。
プクっと膨らんでしまったら
いくらパタパタとヒレを動かしても満足には泳げません。

なんという落とし穴…。
晩ご飯を食べ過ぎたことも重なって、
ハリセン・ボンドは身動きが取れなくなってしまいました。

ここで、ふと思いつきます。
落とし穴といえば冒険家。
それに、“ハリセン・ボンド”という名前の語感としては
「ジェームス・ボンド」より「ハリソン・フォード」の方が近いんじゃないか?

急遽、ハリセン・ボンドはスパイから冒険家へとジョブチェンジ。
冒険家の必需品であるムチを自分に打ち、
アメでプックリ膨らんだ体に喝を入れます。


なんとか落とし穴から脱したハリセン・ボンドは
降り注ぐ毒矢など数多の罠を潜り抜け、

そんなこんなで

“原画式フグ爆弾”を探し求めること30分。

ついに見つけたようです!

埃被った状態で発見されたその絵は
まるで古代の壁画“ヒエログリフグ”…。

またまた豆知識ですが、
実はあのナイル川にもフグは棲息していて、
ピラミッドの壁画にも描かれているくらい古くから
エジプトではフグ食文化が根付いているらしいです。

「任務成功オメデトウ。
報酬はとくに無いけどネ…」

冒険家への急な方向転換のせいで出番を失くしたボンドガールも喜んでおります。
ちなみに、フグのヒエログリフは“不満”を意味しているそうです。
まさに不遇。

『白い砂のアクアトープ』第8話、いかがだったでしょうか!?
「ヨツアナカシパン」が登場しましたが、その名の通り菓子パンみたいに見えますよね。
皆さんはなんのパンに見えましたか?
私は見た瞬間、“甘食が水の中に沈んでる!”と思いました。
そして砂の中にも沈んでいくとは…、御見逸れいたしました。

明日の9月2日からは第9話が放送です!ぜひご覧になってください!

つづく

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