P.A.Press
2022.11.29

スタッフインタビュー【第1回】

最近、アニメ業界への就職を目指す学生さんやファンの方々から、
P.A.WORKSはどんな会社?
どんな職種があるの?
どんな人が働いているの?

というご質問を多くいいただくようになりました。

そこで社員スタッフへのインタビューを通して、P.A.WORKSのことを少しずつご紹介いたします。

第1回はデザインクリエイター(美術設定)の宮岡真弓。
動画マン、原画マンを経て「Another」よりデザインクリエイターへ。
PA内で行われるFIKA(お茶会)や誕生祭では美味しいお菓子やケーキを作ってくれる、クリエイション部のお姉さん的存在です。

―デザインクリエイターという仕事はどんな仕事ですか?

美術設定など作品に出てくる「空間や場所をデザインする」仕事です。画面に映るすべての舞台の設計図を作ります。


▲作業は3dsMax、CLIP STUDIO PAINTなどデジタルで進められる

―美術設定やプロップ設定はどのように作られていくのでしょうか?

アニメの制作にはとても多くの人が参加するので、イメージが統一されるよう様々な設定を作成していますが、自分はそのうちの美術や小物の設定を担当しています。
現実世界の場合はロケハンの際の写真を参考にして制作する時もあります。ロケハンにはない場所は、想像で「こんなシチュエーションはどうだろう?」など、演技上必要な場所を話し合って決めます。アニメの設定はロケハンで決まっていくこともあるし、監督の想像しているイメージを聞いて絵に起こしていくということもある感じですね。

プロップ設定は作品に出てくる小物の設定です。舞台で言う小道具さんが準備する物ですね。カバンとかスマホとか、そのキャラやシチュエーションにあった小物を想像しディティールを決めていきます。

―設計図となるととても重要なポジションですね

美術設定を元に原画マンがレイアウトを描いたり、美術監督が美術ボードを描いたりするので、とても重要な仕事だと思っています。

―この仕事ならではのおもしろさは何でしょうか?

「空間支配」ができることですね。空間をセッティングする側、その世界観を作る側になれるところですかね。状況によっては監督が全部決めていることもあるので一概には言えないですけど、その中に密かに自分の考えを入れることもありますし。おもしろいですけど自分の価値観ひとつだけではできない。自分とは違う性別のことや時代のことを描かないといけないかもしれないですし。いろんな価値観を調べ、吸収し、それを絵に起こしていかないといけません。まずはオーダーに応えることですけどね。

―このお仕事はどういう人に向いていると思いますか?

妄想力がある人でしょうか(笑)。実際にないシチュエーションを絵に起こしていくので、妄想することを楽しめるといいと思います。
デッサン力・画力はもちろん必要ですが、 インテリアや建築に興味があって、「構造を理解したい」と思う人も向いていると思います。

―逆に続けるのは厳しい人は?

「これもしたい、あれもしたい」という人は続かないと思います。
経験値の積み重ねが物を言う場合もあるので、逃げ道を作らず、覚悟を決めて取り組む姿勢がないと厳しいのではないでしょうか。

―アニメ業界を目指したきっかけを教えてください

小さなころから絵が好きで、小学校の頃から美大に入ると決めていました。名古屋の美大に進学し選考は純粋美術(※芸術的価値を専らにする活動や作品を指す概念)の中の油絵を学んでいた大学3年生の時に交換留学でイタリアに行きました。
そこでしばらく過ごしていると、イタリアのテレビで流れるアニメがほぼ全部日本のアニメだということに気付いて。そのときにアニメっていうのは日本にとってとても強い文化でかつ今後はビジネス的にも発展するだろうと思いました。
あと自分は油絵・・・いわゆる平面、静止画を描いていたんですけど、アニメは絵が「動いている」。「止まった絵」よりも「動いている絵」の方が人は一瞬目がいくじゃないですか。そういう意味でアニメって何かしら強いものを持ち合わせているなあと興味を持ちました。

―P.A.WORKSはどんな会社ですか?

入社した頃から比べると、だいぶ変わってきていますね。グロス請けから元請けになり、今では年間3作品~4作品は動く規模なので、各セクションが組織化されてきています。
昔は、とにかく全員で作品作りに一心不乱に向かう感じでしたけど、今は、長期的な視野で計画的に動いていて、数年前から人材育成にも本格的に取り組み初めました。
良い意味で、きちんとした会社になってきていると思います。

―宮岡さんはP.A.養成所の講師もされていますが、教える際にどのような事を心掛けていますか?

生徒さんが授業に置いてきぼりにならないよう気を付けています。勝手に進まず、微妙な表情をしていたら声をかけたりして。とはいえ、授業時間に限りもありますので、その場合は後から個別に質問を受けています。

▲こちらはクロッキ―講義。1ポーズを数分で描き上げる。

―参考にしている書籍があれば教えてください。

【住まいの解剖図鑑】増田奏 著

リアル世界が舞台の場合、建築の基本的な知識が必要になります。テーブルの高さとか、廊下の広さとか。色々な建築やインテリアの本を読みましたが、イラストが豊富でとても分かりやすく最終的にはいつもこの本に戻ります。

-デザインクリエイターを目指す方々に向けてアドバイスをお願いします。

好きな事がずっと好きでいられるメンタルを養ってください。
あとは自分の世界を持ちつつも、人の意見を素直に聞けると良いと思います。
好きな事・自分の世界を持っていれば悩んだ時の拠り所になります。
でもそれだけではよっぽどの天才でないと通用しないと思うので(笑)、人の意見を素直に受け入れた方が成長は早いと思います。

いかがでしたか?
第1回は美術設定、プロップ設定を主に描く【デザインクリエイター】のご紹介でした。
今後も少しずつ更新していきますので、どうぞお楽しみに。

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