P.A.Press
2021.10.13

【P.A.オサカナ日誌】第15怪 シロワニくん VS 肉体派歯科医師


ぼくはシャクレクマノミのレレ。
大してシャクレていないことには触れないでね。
ぼくのシャクに障るぜ…?

ところで、ぼくはいま夢を見ているみたい。

まるでトラックに積み込まれて遠くへと運ばれていくように…。
ユラユラと揺られながら、広い海を漂っている夢を…。

. . . . . 。 。oO( ) ホワンホワンホワ~ン

水曜レレ画劇場
「シロワニくん VS 肉体派歯科医師」

ある暖かな海の沿岸で一匹のシロワニくんが暮らしていました。

シロワニくんは名前に“ワニ”とついているけど、実は“サメ”。
古くからサメは別称で「和邇(ワニ)」という呼び方があって、
これは日本神話に登場する生き物の名前に由来しています。
今でも「ワニ」という呼び方が方言として残っている地域もあるそうで、
例えば広島県ではサメを使った「ワニ料理」という郷土料理があります。

さて、シロワニくんが岩陰でのんびり休んでいると、
なにやら忍び寄ってくる影があります。

「こんにちは。歯の調子はいかがかな?」

肉体派歯科医師がシロワニくんの元に突如やって来て言いました。

まったく身に覚えのない人物の来訪にシロワニくんは戸惑います。
どうしたもこうしたもありません。
今は昼間なので夜行性であるシロワニくんはただのんびり休んでいるだけです。

「それではまず、お口をゆすいでくださいね。
あっ、海中だしその必要はないか(笑)」

なにを言っているのだろう…。怖いですね。
シロワニくんは見かけによらず大人しく温厚な生き物。
とりあえずその場から逃げるように立ち去ろうとします。

しかし…、

サメに負けず劣らずの素早い泳ぎで
肉体派歯科医師に回り込まれてしまいました。

…いくら温厚なシロワニくんでもサメはサメ。
下手に刺激すれば怒っちゃいます。
シロワニくんはこの“こシャーク”な来訪者に攻撃するため、
その大きな口を開けます。

今にも嚙み砕かんと口が閉じる瞬間…、

「お口の中チェックしますね~」

なんと…、
肉体派歯科医師のたくましい上腕二頭筋で口を押さえられてしまいました。
これにはシロワニくんも驚きでアゴが外れそうになりました。

「おぉ、虫歯が一つも無い…。素晴らしい口内環境ですね」

それもそのはず。

サメの歯は人間と違い、
抜けては生えてを何度も繰り返しているので虫歯になることはないのです。

「でも、ここだけグラついていますね。
ちょっと触りますよ…あっ、取れちゃった(笑)」

歯を1本取られてしまいました。

生涯で2万本もの歯が生え変わるサメにとって、
たった1本程度抜かれたとて痛くも痒くもありません。
ですが、シロワニくんは何かを失ってしまったような気がしました。

サメとしてのプライドか何かを…。

「今回の診察ですが虫歯は無かったということで以上となります。
次回は定期検診ですね。それでは、お大事にどうぞ…」

そう言って、肉体派歯科医師は泳ぎ去っていきました。
もう来なくて結構です。そもそも頼んですらいないし…。

…なんだか昼間なのに疲れてしまいました。
今日の夜は少し控えめに活動しようかな…。

シロワニくんは、さめざめと泣きました。

( )Oo。…ホワンホワンホワ~ン

………

「…ハッ!」

「歯が抜ける夢をみる理由は
ストレスや不安を抱えている証拠っていうよね。
新生活が始まったばかりの内はまぁ仕方ないことさ。

ところで…」

「寝ているうちにP-10、ずいぶんでかくなったなあ…」

富山本社編につづく…。

一方そのころ小平シティでは…

どうも、コバンザメ筆頭の園部です。
『白い砂のアクアトープ』第14話はいかがだったでしょうか!?

ティンガーラのペンギンたちの名前、皆様も覚えることができましたか?
私には無理でした!
でも、やっぱり生き物にはそれぞれ個性がありますよね。
ソドムとゴモラを飼い始めてまだ間もないですが、動きの特徴の差など少しずつわかってきた気がします。

明日の10月14日からは第15話が放送です!ぜひご覧になってください!

つづく

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